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21年3月の卒学生にとって、採用状況は厳しかったのでしょうか!?

ネットで「今春の新卒採用募集を行わなかった事業所33%」といったタイトルの記事が複数アップされていました。調査元は厚生労働省労働経済動向調査ということで、信用のおけるデータです。

www.e-stat.go.jp

でも、一方今年度の内定状況は順調ともいえるデータもあります。

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今回は、一見矛盾しているこの2つのデータについて考えてみます。

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本ブログを運営する“キャリえもん”と申します。

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進学・就職・転職・採用等をテーマにブログを運営しております。

みなさんとって、当ブログが少しでも有益なものであれば幸いです。

 

今回のターゲット

来年就職を予定している学生さんがメインのターゲットです。また、そのご家族等にも読んで欲しい内容です。

 

イントロダクション

2021年8月に厚生労働省が実施した労働経済動向調査によると、21年3月卒の採用で正社員募集を行わなかった事業所は33%とのことで、昨年度比で7ポイント増えています。

このことをもって「学生の採用状況悪化」を懸念する声もあるそうです。

本当に新卒採用状況は悪化しているのでしょうか!?

文頭に書きましたとおり、今年の内定状況は順調ですし、コロナウィルスが感染し始めた21年3月卒も内定時期の遅れこそあったものの、最終的な内定率は平年並みでした。少なくとも、私の勤めている某地方大学では、新型コロナウィルスの影響で就職出来なかった学生はいませんでした。

今回は、一見矛盾する二つのデータについて考察することにします。

 

1 調査結果の時期

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厚生労働省の調査は今春、21年3月卒業者対象です。昨年度です。つまり、コロナの影響を一番直撃した時期です。この年、少なくとも初めて非常事態宣言が出た4月から約1か月近くは、ほぼ就活はストップしたような状況になったりもしました。

しかし、その後急速にオンラインによる選考が拡大し、落ち着きを取り戻すことになります。

今年は企業もコロナ禍を踏まえての採用活動となり、ほぼ例年通りといえる内定状況となっています。

この結果調査は、”一番先の見通しが立たなかった”時期の調査結果である訳です。

下限値的に捉えていいのでは、と考えます。

 

2 新卒採用といっても一様ではありません

新卒採用といっても、業種によって好景気・不景気はあります。

この調査で”採用を行わなかった業種”のワースト3を見てみましょう。

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1位 “サービス業(他に分類されないもの)”(61%)

2位 “生活関連サービス業,娯楽業”(47%)

3位 “運輸業,郵便業”、“宿泊業,飲食サービス業”(共に45%)

因みに、この業種区分はお国(!?)が定めたもので少し分かりにくいので、補足します。

1位のサービス業(他に分類されないもの)”は、“その他”的な区分で、結構色々含まれるのですが、私の勤め先ではこの区分に入る業種のトップは“特定派遣業”になります。

これは、派遣業が人材調整的に扱われ、景気の好不調に影響を受けやすいといったことを示しているのでではないでしょうか!?

2位の“生活関連サービス業,娯楽業”も色々幅広な括りなんですが、ここには旅行業が含まれます。

3位の運送業には航空業界や鉄道業界、“宿泊業,飲食サービス業”はそのままの意味でホテルや居酒屋等がここに含まれます。

つまり、このワースト3は“コロナ禍”の影響を直撃している業種となります。

逆にベスト3も紹介しておきます。

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1位 “建設業”、“情報通信業”(共に18%)

2位 “金融業, 、“学術研究,専門・技術サービス業”(共に21%)

3位 “製造業” 、“卸売業,小売業”、“医療,福祉”(共に29%)

上記の業種が業績が順調なのか、激務のため人が集まらないかはさておき(汗)、業種が変われば採用は比較的順調であることは押さえておきたいポイントです。

 

3 新卒そのものは売り手市場

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そもそも新卒の雇用市場は、ここ数年順調です。背景には18歳人口の減少があります。

ピークは1966年の249万人、団塊の世代というものです。そして、2020年には117万人とピークの半分を切っています。

優秀な若い人材は会社を動かすエンジンのような役割ですし、会社にとってはコスト的にもメリットが大きいですから、中高年をリストラしているような企業でも新卒の採用には熱心だったりします(;゚Д゚)

そのような背景から、新卒市場そのものは、今後も全体的には好調を維持すると考えます。

 

4 来年の動向

次年も今年度同様、順調に推移すると考えます。心配なのは、上記であげたコロナ禍の影響の直撃を受けている業種くらいでしょうか!?

ただ、今年の特徴として、採用活動を終える時期が全体的に早くなったような気がしております。例年7月以降も採用を継続している企業が、早々に採用活動を終了してしまうのです。

一部企業の早期化もありますし、早めの対応が吉と考えます。

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まとめ

一部業種において“採用が厳しかった”のは間違いありません。ただ、新卒市場そのものは、18歳人口の減少に支えられ概ね順調と言えます。

来年も一部業種を望む方には、継続して厳しい状況の可能性がありますが、概ね順調な採用状況になると考えています。

少々、楽観的でしょうか(汗)

 

以上、企業の採用状況の考察でした。

 

次回は、「就活と費用」についての予定です♪

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それでは(^^)

 

(追伸)

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