さて、大企業の方が何かと待遇が良いといったお話は良く聞くところでありますが、実際のところはどうなのでしょうか?
ということで、今回はR5年度賃金構造基本調査から、従業員数別の給与や残業時間等をチェックしてみることにします♪
本ブログを運営するネット・キャリア相談所と申します。
当相談所では「長く勤めることが出来る就職」をポリシーにライフワークバランスを重視したい20~30代の”会社選び”をオンラインにて支援しています。
気になる方は、下記ホームページまでアクセス下さい♪
sites.google.com
ホームページには、今までおこなった企業チェックのリンクほか、就職・転職に役立ちそうなことを色々まとめてあります。
一見の価値ありですよ(^^)
また、当ブログでは就職・転職に役立ちそうな情報について発信しています。
みなさんとって、当ブログが少しでも有益なものであれば幸いです。
【目次】
今回のターゲット
やはり一度はこういったデータを見ておけば、「会社選び」の基準がしっかりすると思います♪
就職、転職希望者には必須(!?)の内容です。
イントロダクション
さて、「日本の労働者の大部分は中小企業に所属している」とか、「大企業と中小企業の格差が広がっている」等の話を聞くことも多いかと思います。
まあ、それは納得としても、具体的にはどのくらい差があるのかご存じでしょうか?
ということで、今回は厚労省が実施している賃金構造基本調査(R5版)からこの疑問に客観的に回答してみようかと思います♪
その前に、「大企業」、「中小企業」の定義を確認しておこうかと思います。厳密なものはないかと思っていますが、政府の基準では
・中小企業
資本金3億円以下
or従業員300人以下
※製造業その他の場合
・小企業
従業員20人以下
※製造業その他の場合
となっております。詳細は下記URLを参照下さい。
中小企業・小規模企業者の定義 | 中小企業庁
ただし、本ブログ内では賃金構造基本統計調査の区分けに合わせ、次のように区分させて頂いております。
・大企業 従業員1,000(人)以上
・中企業 従業員100~999(人)
・小企業 従業員10~99(人)
※資本金による区分なし
それでは本題です。
1 労働時間
まず、労働時間からです。休む時間もなければ当相談所の目指す「ライフワークバランスの充実」の実現は難しいですから、しっかり見ていきます♪
因みに、「時間帯」や「曜日」なんかも重要な要素でありますが、ここでは時間数しか見ておりませんので、悪しからずであります(汗)
1)基本労働時間
正しくは、「所定内実労働時間数」と呼ばれるものです。
これが長いということは、
・定休日が少ない
・1日の労働時間が長い
のどちらかかと思うのですが、残業を除く1日の労働時間数の上限は法律で決まっていますから(最長8時間)、基本「定休日が少ない」職種と考えて良さそうです。
ということで、これは少ない方がお勧めってことであります♪
全職種の平均(職種数145職種を基準に算出)が約165時間となっておりますので、これを基準として見ていきます。
なお、全労働者数を基準とした平均は約166時間、全職種の中央値(全145職種を順番に並べた時の真ん中の値)も約166時間となります。
合わせて、大企業を基準(100%)として、中企業および小企業の割合もチェックしていきます。
1位 小企業[104%]
167.8(時間)
2位 中企業[102%]
165.6(時間)
3位 大企業[100%]
161.7(時間)
そこまで大きな差はありませんが、基本労働時間は企業規模に反比例しており規模が小さいほど長くなります。
「基本労働時間多い」≒「休みが少ない」ですので、小規模な会社ほど休みが少ないってことになります。
この項目では「大企業が有利」といって良さそうであります。
2)残業時間
「ライフワークバランスの充実」を謳う当相談所ですから、残業時間は原則短い方がいいと思っていますが、手取り額的には適当な残業があってもいいと思いますし、全く残業がないのも色々心配な会社かと思ってしまいます(昭和生まれの性でしょうか 汗)。
全職種の平均は約12時間となっておりますので、これを基準に見ていきます。
なお、全労働者の平均、全職種の中央値も共に約12時間となります。
合わせて、ここでも大企業を基準(100%)として、中企業および小企業の割合もチェックしていきます。
1位 大企業
14.9(時間)[100%]
2位 中企業
12.4(時間)[83%]
3位 小企業
9.1(時間)[61%]
これは少々意外な結果となりました。
基本労働時間と全く逆で、企業規模と残業時間が比例します😲
しかも、基本労働時間とは異なり結構差があり、中企業では大企業の約2割減、小企業では約4割減となります。
この結果だけみると、残業をなるべく少なくしたい方は中小企業狙いっていうのもありかも知れません!?
ただ、中小企業の場合「残業時間の管理」自体が正しく機能していない可能性もあったりしますので注意は必要かと思います(汗)
3)総労働時間
さて上記1)+2)の結果です。
1)と2)で真逆の結果となりましたので、少々楽しみであります。
全職種の平均は約177時間となっておりますので、これを基準に見ていきます。
なお、全労働者の平均値、全職種の中央値も共に約177時間となります。
合わせて、ここでも大企業を基準(100%)として、中企業および小企業の割合もチェックしていきます。
1位 中企業
178(時間)[101%]
2位 大企業
177(時間)[100%]
3位 小企業
176(時間)[99%]
上記のとおり、総労働時間は企業規模別でもほとんど変わらないといった事となります😲
ただし、その内訳は上記1)2)で示した通り大きく異なります。
当相談所としては、どうせ働くなら単価が高い(残業代も休日労働も割高単価となります)方が良いので、同じ労働時間なら大企業のような残業時間多めの内訳の方が良いと思っておりますが、皆様はどうお考えでしょうか!?
2 給料関係
いつも書いていることですが、給料が安すぎて良いことは一つもありません(汗)
私の経験的には「給料安すぎ」の職場は、結構労働環境も厳しかったりします…
一方、理由なき高給も怪しすぎますので、パスしておいた方が無難です。
詳細は下記ブログを参照下さい。
1)基本給
まず、しっかりチェックしたいのが基本給です。
これが高い、または占める割合が大きい企業は、比較的ホワイトであることが多く、逆に低い企業(≒◯◯手当が多い)はブラックが多いと考えております。
全職種の平均が約33万円となっておりますので、これを基準に見ていきます。
なお、全労働者の平均は約32万円、全職種の中央値は約30万円となっております。
合わせて、ここでも大企業を基準(100%)として、中企業および小企業の割合もチェックしていきます。
なお、ここでは「基本給」と紹介していますが、厳密には「きまって支給する現金給与額うち所定内給与額」というもので基本給とは若干異なるのですが、分かりやすさ優先でこのように紹介しております(汗)
1位 大企業
343,840(円)[100%]
2位 中企業
317,521(円)[92%]
3位 小企業
310,024(円)[90%]
やはりここは大企業が強く、中小企業の1割アップとなります。
そして、基本給が基本労働時間に対する報酬であり、大企業の基本労働時間が最も短かったことを考えれば、大企業の時間単価はそれ以上の差があるということです😲
やはり、金銭面では大企業の圧倒なのでしょうか!?
また、意外なことに中企業と小企業の差は小さく僅か2%程度となります。
イントロダクションに書きましたとおり、
・中企業 100~999名
・小企業 10~99名
ですから、企業規模的には結構差があると思うのですが…。
2)残業代
次に残業代です。
全職種の平均は約3万円となっておりますので、これを基準に見ていきます。
なお、全労働者の平均は約2.8万円代、全職種の中央値は約2.9万円となっております。
合わせて、これも大企業を基準(100%)として、中企業および小企業の割合もチェックしていきます。
1位 大企業
43,045(円)[100%]
2位 中企業
30,296(円)[70%]
3位 小企業
20,278(円)[47%]
上記1の2)で大企業は残業時間長め、2の1)で大企業の労働単価は高めということが分かりましたので、当然 残業代は大企業の圧勝といった結果になりました。
中企業と比べても3割、小企業と比べれば実に倍以上の差がついております。
ここまではこれほど差がついた項目はなく、実は大企業と中小企業の顕著な差が「残業代」であることは少々意外でありました😲
3)ボーナス
さて、次にボーナスです。
意外に思うかもしれませんが、平均勤続年数と相関係数が一番高い(≒関係性がある)のがボーナス額だったりします。
ですので、「長く働くことの出来る就職」をポリシーとする当相談所にとっては、これまた需要な要素だったりします。
全職種の平均が約85万円となっておりますので、これを基準に見ていきます。
なお、全労働者の平均が約90万円代、全職種の中央値が約77万円となっておりますので、これを基準に見ていきます。
合わせて、ここでも大企業を基準(100%)として、中企業および小企業の割合もチェックしていきます。
1位 大企業
1,112,501(円)[100%]
2位 中企業
837,311(円)[75%]
3位 小企業
637,107(円)[57%]
ここでも残業代に引き続き、大企業の圧勝となります。
ボーナスの場合、一般的には上記2の1)で紹介した基本給を基準に、業績に応じて月数を乗算されて算出されます。
ですので、基本給が高い大企業は有利なのは分かりますが、基本給での差と比べてもかなり大きな差がついております😲
「業績に応じて月数」の部分が違うといったところなのでしょうか!?
何にせよ、残業代同様 大企業と中小企業の顕著な差となっております。
4)年収
では、給料関係の総まとめとして年収(基本給×12+残業代×12+ボーナス)の結果を発表していきます♪
全職種の平均が515万円代となっておりますので、これを基準に見ていきます。
なお、全労働者の平均が約507万円、全職種の中央値は約476万円となっております。
合わせて、ここでも大企業を基準(100%)として、中企業および小企業の割合もチェックしていきます。
1位 大企業
5,755,119(円)[100%]
2位 中企業
5,011,110(円)[87%]
3位 小企業
4,570,683(円)[79%]
基本給、残業代、ボーナスの各分野で1位となった大企業が当然1位となる訳ですが、残業代&ボーナスに起因するところが大きいってところは意外ではありました。
また、大企業、中企業、小企業でそれれぞれ約1割ずづの差がつく結果となっており、やはり給料は企業規模に比例すると考えて良さそうです。
3 勤続年数、年齢
次に勤続年数、年齢についてチェックしていきます。
「長く勤めることが出来る就職」をポリシーとしている当相談所ですから、当然ここも重視しております。
1)勤続年数
勤続年数はそんなに難しく考える必要もなく、単純に長い方がいいと考えております。
コロコロ転職をしない方が、やはりライフワークバランスは安定しますので♪
全職種の平均が約11.9年となっておりますので、これを基準に見ていきます。
なお、全労働者の平均が約12.4年、中央値は約12.1年となっております。
合わせて、ここでも大企業を基準(100%)として、中企業および小企業の割合もチェックしていきます。
1位 大企業
13.0(年)[100%]
2位 中企業
11.8(年)[91%]
3位 小企業
10.9(年)[84%]
勤続年数も企業規模ときれいに比例しております。
前項の給料は仕方なしとしても、勤続年数はもう少し中小企業が善戦してくれると思ったのですが…
私は中小企業関係者から、「大企業は競争が激しいので定着率が低い」といった類の発言を何度か聞いた事があるのですが、まあそれはハッタリだったようです!?
2)年齢
次に年齢についてチェックしていきます。
年齢が低すぎる(≒従業員が定着しない)のは論外ですが、長すぎても再就職雇用(≒非正規)率が高そうなのであまりよろしくないと思っております(汗)
全職種の平均、全労働者の平均が約44歳となっておりますので、これを基準に見ていきます。
なお、全145職種の平均、全労働者の平均も約44歳、全職種の中央値は約43歳となっております。
合わせて、ここでも大企業を基準(100%)として、中企業および小企業の割合もチェックしていきます。
1位 小企業
45.5(年)[108%]
2位 中企業
42.9(年)[102%]
3位 大企業
42.2(年)[100%]
平均勤続年数とは逆に企業規模とは反比例しております。
ただ、小企業も少々高めとなっているものの差は給料関係や勤続年数と比べれば小さく、特に中企業と大企業ではほとんどないたいった状況です。
これは私の推測ですが、小企業は新卒採用が少なく中途採用が多い、中企業及び大企業はある程度新卒採用があるってことが原因では!?、と考えます。
上記3の1)も本項目も大企業と小企業の差が約3年であることから、小企業は新卒3年後の入社者が多いのかもしれませんね!?
4 労働人口
次に労働人口を見てみます。
よく、「日本のサラリーマンの大部分が中小企業で働いている」的な事を聞くのですが、実際はどうなのでしょうか?
また、これも大企業を基準(100%)として、中企業および小企業の割合もチェックしていきます。
1位 中企業
10,817,060(人)[104.3%]
2位 大企業
10,374,270(人)[100%]
3位 小企業
8,775,760(人)[84.6%]
ここでは中企業で働く人がもっとも多く、続いて大企業、最後に小企業といった順位となります。
これだけ見ると「日本のサラリーマンの大部分が中小企業で働いている」は言い過ぎで、1/3強は大企業(本ブログは従業員1000人以上の企業)ということになります。
単純に考えれば大企業に入社出来る可能性は1/3強、これはプロ野球の強打者がヒットを打つ可能性よりも高い訳ですから、大企業への就職を安易に諦める必要はなさそうな感はあります😲
まとめ
総労働時間と平均年齢こそ差はあまりありませんが、給与や平均勤続年数において大企業の有利性はハッキリ見て取れたかと思います。
また、思ったよりも大企業(ここでは従業員1000以上の企業)に働いている割合が高く、丁寧に探していけば入社はそこまで難しくないのでは!?、と思わせる結果でもありました。
ただし、今回の調査結果はあくまで「平均」の話で、大企業でも待遇が良くない企業は普通にありますし、中小企業でも優良な企業はあります。
ただ、その割合が異なるといっただけの話ではあるのですが、こういった事を知っていて会社探しを行うか、知らずに行うかでは、結果大きな差になるのではとは思っております。
以上、従業員規模別待遇等の比較でした。
次回は、「最新版 過労死と職種の関係性について😲)」の予定です。
それでは(^^)
(追伸)
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