絶対あって欲しくはない事の一つが「過労死」であります。
さて、ここのところ「過労死」に関する報道が以前よりも減った気がしておりますが(私だけ!?)、実際のところどうなのでしょうか?
また、業界・業種と過労死とはどんな関係にあるのでしょうか?
今回は、そんな疑問に答えていきたいと思います♪
本ブログを運営するネット・キャリア相談所と申します。
当相談所では「長く勤めることが出来る就職」をポリシーにライフワークバランスを重視したい20~30代の”会社選び”をオンラインにて支援しています。
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みなさんとって、当ブログが少しでも有益なものであれば幸いです。
【目次】
今回のターゲット
働いている全ての方に、一度は目を通して欲しい内容であります。
イントロダクション
冒頭に書きましたとおり、私が「絶対にあってはならない」と強く思っている事の一つが過労死であります。生きるために働いているのに、ゴールがその真逆だったというのはあまりに悲しすぎるのではと思ってしまうからです😢
ですので「過労死」が起こった企業はもちろん、起こる可能性が高そうな業界もお勧め致しませんし、過労死事件を起こしながら「なかった」ように振る舞う企業なんて論外だと考えています!
さて、そんなポリシーを持っている当相談所ですから、過労死については随分前(‘21年7月)にブログで取り上げてはおりました。
car-emon.shop
ただ、もう4年近く前の話になりますし、そろそろ再チェックした方が良いかと思ったのが、今回このテーマにした理由となります。
さて、4年前とはどんな変化があるのでしょうか!?
それでは本題となります。
なお、今回資料として厚労省の「令和6版白書」を参照させて頂きました。
令和6年版高齢社会白書(全体版)(PDF版) - 内閣府
1 過労死の傾向
まず、過労死等の指標として、次の二つの労災請求の件数を用いることとします。
・脳・心臓疾患の労災
≒業務過多の結果→過労死
・精神障害の労災
≒強いストレスの結果→過労自殺
また、もう一点触れておきたいことなのですが、これはあくまで厚労省が掴んでいる数字といったことです。認定どころか、労災請求すらされない案件は結構あるかと思いますので😢、絶対数自体はあくまで「最低ライン」と考えた方がよいでしょう。
1)脳・心臓疾患について
まず、労災の請求件数を見ていきましょう。
比較的一定水準で推移していますが、R5年度になって増えたのが気になります。
コロナ明けが一般にR5年と言われておりますから、その反動が原因なのでしょうか?
続いて死亡事案数を見ていきます。
こちらはR3年度のデータまでしかないので何とも言えないのですが、労災の請求数と比例はしているようです。
ということは、R5年度は増えている可能性がありますね!?
因みにR3年度は請求数753件に対して死亡件数57件ですから、約7.6%が死亡案件に繋がっていることとなります😢
2)精神障害について
続いて精神障害系の請求件数をみていきます。
見てお分かりのとおり、R3年以降明らかな増加件数にあります😢
特にR5年は前年比33%増しとなっており、やはりコロナ明けの反動が疑われます。また、請求数自体も「脳・心臓疾患」系と比べ約3倍です😲
両方気をつけなければならないのはもちろんなのですが、今後注意すべきは精神疾患系なのかもしれません!?
続いて死亡事案数を見ていきます。
こちらも令和3年までのデータしかありませんが、ここまでは増加傾向ってことはないようです。
また、令和3年度は2,346件の請求があったうち過労自殺(未遂含む)が79件ですから、約3.4%が過労自殺の案件に繋がっていることになります。
上記のとおり、脳・心臓疾患系とくらべ請求件数は多いものの死亡案件まで繋がる確率は半分程度となります。
精神障害は、脳・心臓疾患と比べてかかりやすいが、死亡には繋がりにくいと考えて良さそうであります。
2 業種と過労死の関係
次に今回の本題である業種と過労死の関係について述べていきたいと思います。
前回ブログ執筆に合わせ調べた時は(令和2年度「過労死等の労災補償状況」参照)、脳・心臓疾患関連は「道路貨物運送業」が圧倒的なワースト1😢、精神障害関係は「社会保険・社会福祉・介護事業」、「医療業」、「道路貨物運送業」がワースト御三家を形成しておりましたが、ここ数年で何か変化はあったものでしょうか?
1)脳・心臓疾患について
まず、H22~R3年度の業種別過労死の累積結果を見てみます。
2位の「卸売業、小売業」に倍以上の差をつけて「運送業、郵便業」が圧倒な1位となります♪ こんな結果があったのに、政府は良く運送業を残業規制から外していたものです😲 やはり自分の身は自分で守る意識が大切であります。
※参照https://hcm-jinjer.com/blog/kintai/overtime_regulation/
続いて最新のデータであるR5年度の労災請求状況を見てみます。
2年前、ブログ執筆の際調べた時と大きく変動がないですが、宿泊業・飲食サービス業[飲食店]が、建設業[職別工事業]に代わりトップ5にランクインしております。
この時期で飲食業となると、やはりコロナの影響が大きいと感じるところではあります!?
また、2位の「その他の事業サービス業」ですが、「主としてビルなどの建物を対象として清掃,保守,機器の運転,その他維持管理についてサービスを提供する事業所をいう。 建物の消毒及び白ありなどの害虫駆除を行う事業所も本分類に含まれる」とのことです。まあ、ビル管理業務ということでしょうか!?
この業種群を見てみると働き方が不定期だったり、夜勤がある業界が占めているように思えます。当相談所で常々発信していることではありますが、こういった不定期な働き方は想像以上に体への負荷は大きいですから、体力に自信のない方は控えた方が無難かとは思っております。
2)精神障害について
脳・心臓疾患同様、H22~R3年度の業種別過労死の累積結果を見てみます。
製造業が1位、僅差で2位が医療・福祉、そして卸・小売業、運送・郵便業、建設業と脳・心臓疾患関連でも上位にランクインしていた続きます。
脳・心臓疾患関連と似たような業種群ではありますが、
・製造業が1位である
・医療、福祉業がランクアップ
していることが精神障害関連の特徴でしょうか。
製造業は当相談所としてはお勧めしている業界なので残念ではありますが、やはり夜勤が影響している気がします。製造業に勤めるなら、基本夜勤のない職(開発や事務など)がお勧めです。
また、医療・福祉業が大きくランクアップしているのは、やはりコロナの影響でしょうか?
ともかく、ストレス耐性が低いと自覚のある方は、夜勤や不規則労働(≒変形時間労働制)の職場は避けた方が無難かとおもいます。
最後に最新のデータであるR5年度の労災請求状況を見てみます。
医療関係が圧倒的な件数で1・2フィニッシュです😢
一方、累積で1位だった製造業はトップ5には入っておりません(最上位が11位の製造業[輸送用機械器具製造業])。2年前、ブログ執筆の際にも製造業はトップ5に入っていなかったので、ここ数年で改善傾向なのかもしれません!?
同様に、前回ブログ執筆時との変化と言えば、
・情報通信業がトップ5県外へ
・卸、小売業がトップ5にランクイン
といったところです。
情報通信業はいい方向に向かっているのかもですね!? 私が勤務していた35年ほど前は「ザ・ブラック😢」といった業界だったのですが…
なお、5位の卸・小売業[その他の小売業]ですが、「美術品小売業(骨とう品を除く);名刺小売業;印章小売業;印判小売業;帆布小売業;造花小売業、etc…」とえらいニッチな業種で、何故こんな業種がランクインしているのかはかなり謎ではあります😲
まとめ
基本、人材不足が言われている業界(≒変則的な労働が多い業界)は過労死の危険性が高いと思って良さそうです。
特に脳・心臓疾患系では運送業、精神疾患系では医療関係が危険な傾向がありますから、体力に自信のない方、ストレス耐性に自信のない方は、これらの業界は避けた方が良いとは考えます。
なお、今回の調査結果にはコロナ禍の影響であろうことを一言書き加えさせて頂きます。
以上、従業員規模別待遇等の比較でした。
次回は、「最新版ブラック企業ランキング企業の求人、勤務条件を比べてみました」の予定です。
それでは(^^)
(追伸)
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