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某県庁職員で自殺連鎖!?、公務員ってヤバいのでしょうか( ゚Д゚)!

過労死問題を扱うことが多い当ブログですが、一つ気になるニュースがありました。

県職員がパワハラの遺書残し自殺 地域振興局部長を懲戒処分|NHK 秋田県のニュース

秋田県庁職員のパワハラによる自殺のニュースです。この記事が「2022.11.28」のものです。ところで、つい最近同じような秋田県庁からみの記事を見た記憶があったりしましたので、少し調べたてみたのですが、結果がこれです。

県職員自殺訴訟で県が遺族に和解金7590万円支払う方針|NHK 秋田県のニュース

こちらの記事が「2022.11.22」、その差、わずか6日( ゚Д゚)

片方は、パワハラ過労死で上司を処分、片方は過去に起きた過労自殺の和解金確定と、内容も過労死した時期も異なるのですが、当然別々の事件です。正直、まともな事態とは思えませんでした。ということで、今回は、公務員の過労死をテーマに考えてみることにします。

 

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【目次】

 

今回のターゲット

将来公務員(教員、警察官等含む)を検討している方は、一度目を通して欲しい内容となります。

 

イントロダクション

さて、公務員の自殺といえば、有名なのが財務省文書改ざん事件”に係る自殺でしょうか!?

財務省文書改ざん自殺民事裁判 妻“夫の死の真実が知りたい”|NHK 関西のニュース

この事件で分かるように、公務員って、“面子にこだわる”方が多い議員さんの使いっぱしり的な仕事もあります。議員さんのパワハラのニュースなんて、国会議員から地方議員まで数えたらきりがありません。

例えば、有名なのは元衆議院議員豊田真由子さんのパワハラですね!?

【ピンクモンスターと呼ばれた政治家】恐怖のパワハラ「このハゲーーっ!」豊田真由子氏から「私も殴られた。『永田町にいられないようにしてやる』とののしられた」(1/2ページ) - 産経ニュース

でも、こんなのは日氷山の一角です( ゚Д゚) 

そんなことを考えれば、世間一般のイメージである“公務員≒楽”って構図が、全てではなく、結構ストレスが厳しい職場であることが想像出来ると思います。

また、公務員には“一般行政”だけでなく、"警察官"や"教員"なんかもあります。警察官は、しょっちゅう“パワハラ”の報道がありますし、教員は“過労自殺”のイメージが付きまといます(涙)

今回は、これらを極力客観的に判断出来るよう、政府関係が発表しているデータから検証を進めていきたいと思います。

なお、今回は分析するのに適当なデータがあったので、地方公務員のデータを元に分析を進めることとしました。

1 地方公務員の自殺の状況

今回のデータは、総務省の委託調査研究である「令和元年度地方公務員の過労死等に係る公務災害 認定事案に関する調査研究事業調査研究報告書」を参照しました。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000690794.pdf

この調査ですが、“平成 22 年1月から同 30 年3月 (約 8 年) の期間における過労死等として公務災害認定された事案を収集し分析”したものとのことです。

さて、過労死ですが、お役所では“脳・心臓疾患事(≒重過労による過労死)”と“精神疾患・自殺事案(≒パワハラ等による過労自殺)”に区分しています。これらで傾向が違いますので、各々話を進めていくこととします。

①脳・心臓疾患事(≒重過労による過労死)

まず、気になる職種別の結果を見てみます。

1位「義務教育学校職員」46 件(31.5%)

2位「その他の職員(一般職員等)」44 件(30.1%)

3位「警察職員」30 件(20.5%)

4位「義務教育学校職員以外の教育職員」19 件(13.0%)

5位「消防職員」7件(4.8%)

件数で言えば学校職員がNo1です。しかも、“学校職員”という区分で見れば、1位と4位はくっつけてみてもいいでしょう。すると公務員過労死の約半分は、学校で起こっていることになります( ゚Д゚)

ただ、これは絶対的な件数です。他と比べ教員の数が多ければ、過労死数が多くなるのも当然です。重要なのは“発生率”だと考えます。

この過労死の調査時期と異なるので参考程度にしかなりませんが、総務省のホームページに地方公務員の職種別人数が載っていました。

総務省|地方公共団体の行政改革等|地方公務員数の状況

これを参考に“職種別自殺率”を積算してみました。結果は、こんな感じです。

1位 警察職員(0.01%)

2位 教育関係、消防、一般行政(0.005%)

率でいえば、警察職員だけが他の倍程度となることがわかりました。まあ、疲れたから休める、といった職種ではありませんから、激務は仕方がないのかもしれません(涙) 志望される方は、そのあたりは覚悟を決める必要がありそうです。

また、絶対件数で多かった教育関係は、働き手の母数も多く(約101万人)、過労自殺率だけもれば、他の職種とほば変わりませんでした。

 

精神疾患・自殺事案(≒パワハラ等による過労自殺

同じく職種別の発生件数を整理してみます。

 1位「 義務教育学校職員 」3 8 件( 1 7.4 %%)

 2位「 消防職員 」 22 件( 10. 0%)

 3位「 義務教育学校職員以外の教育職員 」 及び「 警察職員 」 1 9 件( 8.7%)

 “脳・心臓疾患事(≒重過労による過労死)”ではランク外だった、消防職員が圧倒的に目立ちます。

また、なぜか「 義務教育学校職員以外の教育職員 」と「 警察職員 」が一緒くたんにされています。とりあえず、この項目は「 義務教育学校職員以外の教育職員 」と「 警察職員 」に半々に案分して、過労死率を積算してみます。

1位 消防関係(0.014%)

2位 教育関係(0.005%)

3位 一般行政(0.004%)

桁違いで消防関係がトップになりました。過労自殺の絶対数が多く、母数が小さいので当然の結果ではあります。また、2位以下は若干の差がついていますが、データの不正確さも考慮すれば、実質差がないと考えていいかもしれません。

消防関係は母数が少ないためか、ニュース等で目立った印象はないのですが、その裏でかなり厳しい精神的ストレスにされられていることが想像出来ます。やはり、就労するのに覚悟が必要な職種だと考えます。

 

2 公務員と世間一般を比べてみます

ここで公務員の過労死件数と世間一般の件数を比較してみます。

①脳・心臓疾患事(≒重過労による過労死)

比較方法として、それぞれ過労死件数がトップだった職種同士を比べてみます。比較データは厚労省が出している令和3年度「過労死等の労災補償状況」です。

令和3年度「過労死等の労災補償状況」を公表します|厚生労働省

まず、世間一般に過労死が多かった職種ですが、R3年度は運送業で39件です。

おおよそ運送業の従業員数が200万人と言われていますので、率にすれば0.002%となります。

一方、公務員でトップだった警察関係は8年間で0.01%でしたから単年では0.001%程度となります。

率が非常に低いのと、業界人数が概数なことを考えれば、正確性を問われれば微妙なところもありますが、それでも、やはりというか民間企業の方が過労死率は高いこととなります。

犯罪者と戦う警察より過労死が多い業界って、結構半端ないかもしれません( ゚Д゚)

 

精神疾患・自殺事案(≒パワハラ等による過労自殺

こちらの、世間一般に過労死が多かった職種ですが、R3年度は社会保険社会福祉・介護事業で57件です。ネットで調べたところ介護業界の従業員数が211万人程度とのことでしたので、これを元に過労自殺の割合を計算しますと、0.003%になります。

一方、公務員で過労自殺の多かった消防職員ですが8年間で0.014%ですから、単年間では0.002%となります。

これも、いろいろ概数を使って算出していますので、あくまで目安でしかないのですが、福祉業界では、消防関係の1.5倍のも過労自殺が発生していることになります。

総じていえば、公務員でも過労自殺は発生しているが、世間一般と比べれば、決して多いといったことはないという結論になります。

でも、過労死案件を取り締まるのが公務員なのですから、そこでこのようなことが起こってしまうのは、いかがなものかとは思ってしまいます。

 

3 自殺の多い都道府県

最後におまけとして、自殺の発生率と地域性についてまとめてみたいと思います。

冒頭に紹介した秋田県は、“自殺率No1”だった記憶がありました。やはり日照時間が少ない北国(雪国!?)は自殺率が高めなのでしょうか?

厚労省が発表している自殺状況(R3年版)がこちらです。

R3年度に関しては、秋田県は自殺率No1の座からは降りているようです。

ただ、比較的雪国は高めの傾向が見受けられますし、都会より地方の方が自殺率高めの傾向もあるように感じます。

理由は、経済的な事情なのでしょうか!?

自殺と地域性は相関があります。地元ならさておき、勤務地が選べる立場であるなら、体が弱い方やストレスに弱い方は、少しは考慮した方がいいでしょう。

 

まとめ

公務員が、その他世間一般と比べて、極端に自殺率が高いということはない、というのが当相談所の結論です。ただ、部署にもよりますが、公務員が厳しい仕事であるのは、間違いないと思います。

特に、警察・消防のストレスは、分かっていたつもりでしたが、今回の調査で再認識しました。希望される方は、それなりの決意をもって臨む仕事だと思います。ただ、他にはない、誇りを持って取り込める仕事であることは間違いないとも思いますので、その辺りは熟考して欲しいものです。

 

次回は、「過労業界で働いてはいけませんか?」の予定です。

 

それでは(^^)

 

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