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「長く勤めることが出来る就職」をポリシーにライフワークバランスを重視したい20~30代の”会社選び”を支援しています。本ブログでは、これに役立ちそうな情報を週1回発信しています♪

医薬品業で新卒採用比率が好対照な室町ケミカルと富士製薬工業の求人・勤務条件を比較してみました♪

さて、ここのところは医薬品業界をテーマとしたブログを書いております。
前回は「平均年間給与」をテーマに離職率が好対照な2社を比較してみましたが、今回は「新卒採用比率」に注目して好対照な2社の求人・勤務条件を比較してみようかと思います♪

 

本ブログを運営するネット・キャリア相談所と申します。
当相談所では「長く勤めることが出来る就職」をポリシーにライフワークバランスを重視したい20~30代の”会社選び”をオンラインにて支援しています。
気になる方は、下記ホームページまで♪
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また、ホームページには今までおこなった企業チェックのリンクほか、就職・転職に役立ちそうなことを色々まとめてあります。
ぜひ、お気軽にアクセスしてみて下さい。

当ブログでは就職・転職に役立ちそうな情報について、週1回を目途に発信しています。
みなさんとって、当ブログが少しでも有益なものであれば幸いです。

 

【目次】

 

今回のターゲット

医薬品業に興味がある方にお勧めです。
また、「新卒採用比率」と待遇の相関関係に興味がある方にもお勧めです!?

 

イントロダクション

さて、先日医薬品業大手36社に注目し、業界全体の動向を調べてみました。

car-emon.shop今回は、その中でも「新卒採用比率」に注目し、36社中最も高かった室町ケミカルと最も低かった富士製薬工業で求人・勤務条件を比較してみようかと思います。

まず、新卒の求人情報ですが、転職希望の方も見ておくことをお勧めしております。
中途求人に掲載されていないような情報もありますし、掲載されている情報量自体も多いです♪
特に給与関係ですが、中途採用のようにキャリアによらない金額(≒企業の素の状態とも言えます)がチェック出来るのが、嬉しいポイントです。

そんな新卒求人の中で、当相談所が注目している項目の一つが新卒採用比率です。
多すぎても(離職率が高い!?)、少なすぎても(採用が失敗している or 人事が活性化していない!?)あまり良くないと考えており、業界・業種で大きく異なるものではありますが、2~10%程度が妥当では と考えております。

また、今回調べた医薬品業36社の採用比率平均が2.0%と他と比べ低めな業界だったこともあり、これに注目した場合求人・勤務条件がとのように変わるか興味を持ったのが、今回のブログを書くきっかけです♪

それでは、本題に入りますが、今回のデータの参照元は、マイナビ2025、リクナビ2025、duda、有価証券報告書、業界動向サーチ、および大枚はたいて購入したCSR企業総覧(約2万円 ( ゚Д゚))、等となります。
また、回答時期の違いや集計方法の違い(!?)が原因かと思いますが、情報ソース毎で数値が異なるものが何点かありましたが、基本CSR企業総覧の値を掲載しています。

 

1 企業概要

今回比較する企業の概要となります。

1)室町ケミカル

福岡県に本社がある東証スタンダード上場企業です。
医薬品については原薬の販売製造が主力、ほか健康食品の企画・製造、液体処理関連など化学品の販売・加工を合わせた3分野が主軸の事業とのことです。
・設立    :1952年
・資本金   :143(百万円)
・従業員数  :197(名)
 [‘22年] 
自己資本率 :35.0 (%)
 [‘22年] 
・経常利益  :423(百万円)
 [‘22年] 

医薬品業は単一セグメント事業の会社が多いのですが、室町ケミカルに関しては他分野の事業も手掛けておりますので、その従業員比も載せておきます。
・医薬品事業       26.8%
・健康食品事業   13.7%
・化学品事業       26.3%
・全社(共通)   33.2%

万遍なくって感じですね。
ただ、共通分野(おそらく事務等!?)が一番多いのは、“効率化”といった面ではどうなのでしょうか!?

2)富士製薬工業

産婦人科領域の医薬品の開発・製造・販売が中心、東京本社の東証プライム上場企業です。
また、業界動向サーチの調査では製薬分野で売上高35位にランキングされている企業であります。
・設立    :1965年
・資本金   :3,799(百万円)
・従業員数  :817(名)
 [‘22年] 
自己資本率 : 48.4 (%)
 [‘22年] 
・経常利益  :3,395(百万円)
 [‘22年] 

こちらは医薬品業らしく単一セグメント事業となっていますので、事業毎の従業員比の記載はありません。

さて、この2社の比較をしてみます。
設立年度は比較的近いのですが、資本金・従業員・経常利益と大きく富士製薬工業が上回ります。
前回に続き、規模が異なる企業の比較となりますが、この違いが他条件にどう影響するか注目していきたいと思います。

 

2 採用規模

次に、この2社の採用の規模についてまとめます。

1)室町ケミカル

・(新卒)10名(5.1%)[‘19年度]
・(中途) 7名(8.1%)[‘19年度]

2)富士製薬工業

・(新卒)11名(1.4%)[‘21年度]
・(中途)50名(6.3%)[‘21年度]

では、両社の比較をしていきます。

まず、新卒採用についてです。
イントロダクションでも書きましたとおり、当相談所では企業を知る上での重要な要素の一つと考えています。
多すぎても(離職率が高い!?)、少なすぎても(採用が失敗している or 人事が活性化していない!?)あまり良くないと考えており、業界・業種で大きく異なるものではありますが、2~10%程度が妥当では と考えております。
そういった意味では、室町ケミカルは適正、富士製薬工業は少な目となります。

ただ、医薬品業については、平均で2%とかなり新卒採用比率が低い業界ですので、富士製薬工業の採用比率も特段問題はないかと考えます。
また、室町ケミカルも比較に用いた’19年こそ、医薬品業にしてはやや多めな採用だったのですが、その後は約2%に落ち着いているようです。
[参考]‘21年度
・室町ケミカル  4名(2.0%)
富士製薬工業 11名(1.4%)

次に中途採用についてです。
両社とも、新卒を上回る採用をおこなっています。
前回のブログ(中外製薬とダイトの比較)でもこんな感じでしたので、この業界の特徴なのかもしれません!?

中途採用比率については、あまり極端でなければ特段良い・悪いはないのですが、当相談所が今まで調べた企業では、中途の採用比率の平均は2%程度、新卒の採用平均が3%程度となり、新卒の約2/3程度を中途採用する会社が多かったです。

 

3 採用職種

次に、この2社の採用職種についてまとめます。
まずは、新卒(大卒)の採用職種からです。

1)室町ケミカル

・総合職
  営業
  品質管理
  管理部門
  商品開発

2)富士製薬工業

・総合職
  研究職
  臨床開発職
  品質管理職
  信頼性保証職
  製造職
  MR職
  経営管理部門

まずは、新卒(大卒)の採用職種から見ていきます。
室町ケミカルは医薬品に特化した会社でないということで、一般的な製造業に近い職種募集となっています。
一方、富士製薬工業に関しては、いかにも医薬品業といった職種が並んでおります。
両社とも特段、気になる点はないかと思います。

次に中途採用の職種を見ていきます。
まず、dudaに掲載されている求人数をピックアップしてみます。
・室町ケミカル 5件
 営業・製造ほか
富士製薬工業 16件
 製造、品管、社内SEほか

両社とも、基本は新卒に準じた職種を募集しているようですが、富士製薬工業に社内SEがあるのが気になるところです。
前回調べていた放送通信業でも社内SEを中途募集している企業は多かったので、この流れは業界を跨ったものかと感じます。
SE職の転職は、かなり選択肢がありそうですね♪

 

4 給料

次に、この2社の給料についてまとめます。

1)室町ケミカル

・初任給(大卒) :191,000(円)
 全額基本給
・平均年間給与   :5,079,000(円)
 [‘21年度]
・30歳平均賃金 :240,600(円)

2)富士製薬工業

・初任給(大卒) :225,000(円)
 全額基本給
・平均年間給与   :5,987,646(円)
 [‘21年度]
・30歳平均賃金 :273,955(円)

まず、新卒初任給です。
当相談所では、初任給は安すぎても、高すぎても適当ではないと考えております。

car-emon.shopそういった意味では両社とも問題なしと言えますが、室町ケミカルに関しては もう少し高くても良い気もします(汗)
やはり、前回のダイト(富山県)もそうでしたが大企業、医薬品業といえど地方本社は、やや給料低めの傾向がありそうです!?

次に平均年間給与についてです。
室町ケミカルは約500万円とほぼ全職種平均と同額、富士製薬工業は約600万円とそれより約100万円高くなります。
両社とも問題のある設定ではないと思いますが、室町ケミカルに関しては“大企業としては”低めの設定と言っていいと思います(涙)

最後に30歳平均賃金です。
室町ケミカルですが、20万円前半と富士製薬工業の新卒給料とさほど差がなく、これはもう少し高くともといったところでしょうか(涙)
一方、富士製薬工業は20万円代後半と年間平均給与と上手くバランスしており、金額そのものは高いとは言わないものの好印象ではあります。

なお、30歳平均賃金ですが、公開している企業が平均年間給与よりも少ないところが残念なところです(涙)

 

5 勤務時間

次に、この2社の勤務時間についてまとめます。

1)室町ケミカル

・勤務時間:9:00~17:30
 ※製造:シフト勤務の可能性あり
・平均残業時間:9.0時間/ 月

2)富士製薬工業

・勤務時間: 8:30~17:00
・平均残業時間:12.5時間/ 月

まず、勤務時間についてです。
当相談所としては「長く勤める」ことを考えた場合、固定時間勤務>>ローテーション勤務(変形労働時間制を含む)と考えております。
体への負担が全く異なりますので。
そういった意味では、両社共に基本問題はなしですが、室町ケミカルの製造職はシフト制とのことですので 気になる方は他職種を希望した方がいいと思います。

次に平均残業時間についてです。
両社ともに10時間前後と製造業としては非常に短めです。
もちろん、問題しです♪

 

6 年間休日数

次に、この2社の年間休日数についてまとめます。

1)室町ケミカル

・ [年間休日:122日]
(-) 

2)富士製薬工業

・完全週休2日制 [年間休日:125日]
(土日祝) 

両社共に120日オーバーですから、全く問題ありません。
ただ、室町ケミカルに関しては曜日に関する記載がありませんでした。
製造職がシフト制ですから、恐らくその絡みで記載出来なかったのだとは思います!?

さて、当相談所としては可能であれば土日祝休みが望ましいとは思っているところです。
子育てや趣味(友人と時間が合わなくなる)が、より充実するかと思っておりますので。

まあ、気にしない方は気にしないので、そこまで細かく考える必要はないのかもしれませんが(汗)

 

7 平均有給取得日数

次に、この2社の有給取得についてまとめます。

1)室町ケミカル

・14.2日(付与日数17.5日
、取得率81.1%)[‘21年度]

2)富士製薬工業

・11.9日(付与日数17.2日
、取得率69.1%)[‘21年度]

室町ケミカルは15日に迫る勢い、富士製薬工業も10日オーバーと全く問題ありません♪

なお、年間有給取得数ですが、下記を目途に求人票を見て頂ければと思っております。
・15日以上 素晴らしい!
・10日以上 全く問題なし
・ 5日以上    問題なし
・ 5日未満 多分、法令違反!?

 

8 離職情報等

次に、この2社の新卒3年離職率離職率、および平均年齢・平均勤続年数についてまとめます。

1)室町ケミカル

・新卒3年離職率:40.0%
(’19年月採用10名中6名が離職)
 ※マイナビ2025に記載あり
離職率 :7.1%
・平均勤続年数 :8.3(年)
 [‘21年度]
・平均年齢:38.5(歳)[‘21年度]

2)富士製薬工業

・新卒3年離職率:0.0%
(’19年月採用7名中0名が離職)
 ※マイナビ2025に記載あり
離職率 :4.9%
・平均勤続年数 :10.9(年)
 [‘21年度]
・平均年齢:42.4(歳)[‘21年度]

まず、新卒3年離職率です。
室町ケミカルが40%とかなり高め、一方富士製薬工業は0%と素晴らしい結果となっています。
ただ、室町ケミカルも‘22年採用以降の離職者は0名とのことで、やはり‘19年度は採用しすぎで色々上手くいかなかったのかもしれません!?

また、両社共 離職状況をマイナビ上で公開しており、この点は素晴らしいと思います♪
この新卒3年離職率は政府が求職者のために公開を進めているものですから、大学生等が直接目にするような媒体には、ぜひ記載して欲しいと思っているところです。

次に、単年離職率(新卒以外も含む)についてです。
室町ケミカルが7.1%、富士製薬工業が4.9%と特段問題のない値です。
なお、厚労省調査の平均は12%程度、当ブログで扱った企業の平均が5%程度ですから、“大企業としては”平均的な値と思って良さそうです。

次に平均勤続年数です。
室町ケミカルは8.3年とかなり短め、富士製薬工業も10.9年と短めです。
賃金構造基本統計調査による全職種の平均は12年程ですから、ここは少々気になるところです。

最後に平均年齢です。
室町ケミカルが30代後半とやや若め、富士製薬工業が40代前半と賃金構造基本統計調査による全職種平均値と同等程度となります。
やはり、室町ケミカルがやや低めの値となっているのが若干気にはなるところです。

 

9 おまけ(不祥事等)

とにかく不祥事を起こす企業(個人もですが 涙)は、繰り返すことも多いですから、この辺りはしっかり見ておいた方がいいと思います。
また、Googleで軽くサーチしているだけなので、ここで引っかかってしまうのは色々問題があるかな、とは思っています(汗)
なお、不祥事は大きい会社ほど記事として残ってしまうので、その分 引っかかりやすい傾向はあります。

1)室町ケミカル

不祥事、パワハラに関する気には見当たりませんでした。
ただ、匿名掲示板でパワハラを訴えているものがありましたが、まあ匿名掲示板で何を書いても信憑性は今一つですから、スルーでいいかと思います(汗)

また、休職者に関する情報も公開されており、下記のとおり問題のない値となっています。
・休職者 2名(1.0%) [‘21年度]

 2)富士製薬工業

どうやら試験の工程を省略(?)していたようで行政処分があったようです。
・試験の一部で誤り 行政処分
 (‘22年)
富山県、富士製薬工業に行政処分 試験の一部で誤り - 日本経済新聞

イメージ的にはダイハツの事件に近いといった感じでしょうか!?
だとしたら、相当頂けない事件ですよね!?

なお、どうやらこの時期に富山にある後発医薬品、まとめてつるし上げられているっぽいので、その辺りの背景も気になるところではあります(汗)
富士製薬に業務改善命令~後発品企業に再び行政処分 | 薬剤師のエナジーチャージ 薬+読

また、こちらも休職者に関する情報がしっかり掲載されており、下記のとおり全く問題のない値となっています。
・休職者 3名(0.4%) [‘21年度]

 

まとめ(5段階評価付き)

いずれも、「長く勤めることが出来る就職先」をポリシーとする当相談所の評価となり、絶対的な評価ではありませんので、そこはご理解下さい。
それでは、まとめです。

・室町ケミカル ☆☆☆(普通)
正直「☆☆(お勧めしない)」と迷いましたが(汗)、「☆☆☆(普通)」結論づけました。
理由は次のとおりです。
〇有給取得率が高い
〇特段不祥事がない
〇情報がしっかりしている
〇休職者が少ない
△給料関係が“大企業”としては低め
 →問題という程ではない!?
△‘19年の新卒離職率が高め
 →以降改善されている

ただ、平均勤続年数及び平均年齢が低めな点は、「長く勤めることが出来る就職」をポリシーとする当相談所的には気になるところです。

富士製薬工業 ☆☆☆(普通)
特段、数字的悪いところはありませんし、バランスもいいと思います。
数字的には、もう少し平均勤続年数と有給取得日が伸びれば「☆☆☆☆☆(最高!)」でもいいぐらいです♪
しかし、やはり試験関係の不祥事があったとなると☆一は削ずらざる得ませんので、このような評価と致しました(涙)

さて、冒頭に書いた新卒採用比率と雇用条件の関係ですが、室町ケミカルも‘19年度以降は採用比率2%程度に落ち着いていますし、それで離職者も出ていないようですので、こと医薬品業に関しては低めが正解なのかもですね!?
まあ、本来の目的であった新卒採用比率と諸条件の関係は良く分からないままとなってしまいましたが(汗)

以上、室町ケミカルと富士製薬工業の求人・勤務条件についてでした。

次回は、「医薬品業で平均勤続年数が好対照な第一三共とJCRファーマの求人・勤務条件を比較してみました」の予定です。
それでは(^^)

(追伸)
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