さて、前回のブログでは「政府の調査結果から長続きする職・しない職、稼げる職・稼げない職等をまとめてみました♪」と題して、R5賃金構造基本調査をチェックしてみました。
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結果、結構ニッチな職(≒あまり求人を見かけない)が目立つ結果となっており、雑学としては面白いものの、就職・転職の参考としては今一つな結果となってしまいました(汗)
今回はそんな反省を踏まえ(!?)、一般の求人でも目にする職種について色々まとめてみることにしました♪
本ブログを運営するネット・キャリア相談所と申します。
当相談所では「長く勤めることが出来る就職」をポリシーにライフワークバランスを重視したい20~30代の”会社選び”をオンラインにて支援しています。
気になる方は、下記ホームページまでアクセス下さい♪
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ホームページには、今までおこなった企業チェックのリンクほか、就職・転職に役立ちそうなことを色々まとめてあります。
一見の価値ありですよ(^^)
また、当ブログでは就職・転職に役立ちそうな情報を発信しています。
みなさんとって、当ブログが少しでも有益なものであれば幸いです。
【目次】
今回のターゲット
就職・転職を考えている方にはぜひ目を通して欲しい内容です。
特に、具体的な職種に悩んでいる方は、必読であります♪
イントロダクション
冒頭で書きましたとおり、前回のブログでR5賃金構造基本調査から職種毎に賃金や労働時間等の労働条件他のベスト&ワーストを色々とまとめてみたのですが、結果パイロットや弁護士、医者や大学教授など、一般の求人では見かけない職種が中心の内容となってしまいました(汗)
雑学としては面白かったものの、実際の就職・転職においてはあまり役立たないかもしれません…
とういことで、今回は一般の求人で最も目にする技術者、医療関係(医者以外)、介護・保健関係、教員(大学以外)、事務員、営業・販売、製造関係について給料や労働時間、勤続年数・年齢についてR5年度賃金構造基本調査をチェックしていこうかと思います。
ただ、賃金構造基本調査の職種分類は結構細かく分かりにくいので、私の独断で(汗)、以下のとおり職種をまとめさせて頂き、その平均値を比較していく事としました。
1 技術者
電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)、機械技術者、輸送用機器技術者、金属技術者、化学技術者、建築技術者、土木技術者、測量技術者、システムコンサルタント・設計者、ソフトウェア作成者、その他の情報処理・通信技術者、他に分類されない技術者
2 医療関係(医者以外)
薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士、歯科衛生士、歯科技工士
3 介護・保健関係
介護職員(医療・福祉施設等)、訪問介護従事者、看護助手、その他の保健医療サービス職業従事者、栄養士、その他の保健医療従事者、保育士、介護支援専門員(ケアマネージャー)、その他の社会福祉専門職業従事者
4 教員(大学以外)
幼稚園教員,保育教諭、小・中学校教員、高等学校教員、その他の教員
5 事務員
庶務・人事事務員、企画事務員、受付・案内事務員、秘書、電話応接事務員、総合事務員、その他の一般事務従事者、会計事務従事者、生産関連事務従事者、営業・販売事務従事者、外勤事務従事者、運輸・郵便事務従事者
6 営業・販売
販売店員、その他の商品販売従事者、販売類似職業従事者、自動車営業職業従事者、機械器具・通信・システム営業職業従事者(自動車を除く)、金融営業職業従事者、保健営業職業従事者、その他の営業職業従事者
7 製造関係
製銑・製鋼・非鉄金属製錬従事者、鋳物製造・鍛造従事者、金属工作機械作業従事者、金属プレス従事者、鉄工,製缶従事者、板金従事者、金属彫刻・表面処理従事者、金属溶接・溶断従事者、その他の製品製造・加工処理従事者(金属製品)、化学製品製造従事者、窯業・土石製品製造従事者、食料品・飲料・たばこ製造従事者、紡織・衣服・繊維製品製造従事者、木・紙製品製造従事者、印刷・製本従事者、ゴム・プラスチック製品製造従事者、その他の製品製造・加工処理従事者(金属製品を除く)、はん用・生産用・業務用機械器具組立従事者、電気機械器具組立従事者、自動車組立従事者、その他の機械組立従事者、はん用・生産用・業務用機械器具・電気機械器具整備・修理従事者、自動車整備・修理従事者、その他の機械整備・修理従事者、製品検査従事者(金属製品)、製品検査従事者(金属製品を除く)、機械検査従事者
それでは、本題です♪
1 給料関係
いつも書いていることですが、給料が安すぎて良いことは一つもありません(汗)
私の経験的には「給料、安すぎ」の職場は、結構労働環境も厳しかったりします…
一方、理由なき高給も怪しすぎますので、パスしておいた方が無難です。
詳しくは、下記ブログをご参照下さい。
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1)基本給
まず、しっかりチェックしたいのが基本給です。
これが高い、または占める割合が大きい企業は比較的ホワイトであることが多いと考えておりますので、これをチェックしていきます。
なお、ここでは「基本給」と紹介していますが、厳密には「きまって支給する現金給与額うち所定内給与額」というもので基本給とは若干異なるのですが、分かりやすさ優先でこのように紹介しております(汗)
1位 技術者
396,908(円)[90.9%]
2位 教員(大学以外)
370,200(円)[97.0%]
3位 営業・販売
360,100(円)[93.4%]
4位 医療関係(医者以外)
342,500(円)[92.8%]
5位 事務員
321,033(円)[92.8%]
6位 製造関係
307,223(円)[95.0%]
7位 介護・保健関係
284,586(円)[87.5%]
まず、金額1位の技術者ですが、やや基本給率が低くなります。まあ絶対的な金額は悪くないので、そこまで気にする必要はないのかもしれません…
一方、金額2位の教員は金額も基本給率も良いです♪ 色々働き方が問題視されている職種ではありますが、給料に関しては「良い」と言ってもいいのではないでしょうか!?
他、気になるのはやはり最下位の「介護・保健関係」で金額が低いだけでなく、基本給率も唯一の8割台です…
こちらも色々言われがちな職種ですが、給料体系は問題がありそうですね(涙)
2)残業代
次に残業代です。
残業代は時間単価と残業時間数で決まります。
単価は高い方がいいですが、残業時間は長すぎても良くありません(涙)
残業時間は後の項目で出てきますから、ここでは金額に注目し残業代と基本給の割合をチェックしていきます。
もちろん当相談所的には、やはりこの値は低い方が良いとは考えております。
【残業代/基本給】
1位 製造関係
14.3(%)
2位 技術者
10.0(%)
3位 事務員
7.7(%)
3位 医療関係(医者以外)
7.7(%)
5位 営業・販売
7.1(%)
6位 介護・保健関係
5.3(%)
7位 教員(大学以外)
3.1(%)
製造業関係(製造関係及び技術者)の残業代の占める割合が高いです。
給料は良いのでしょうが残業長めな業界と推定出来ますので、選ぶ際には注意が必要でしょう。
逆に教員の残業代の占める割合が低いのですが、これは固定残業制orみなし残業制でしっかり残業時間を管理していない(本当はダメ)結果のような気がします…
3)ボーナス
さて、ボーナスです。意外に思うかもしれませんが、平均勤続年数と相関係数が一番大きい(≒関係性がある)項目がボーナス額だったりします。
当相談所のポリシーが「長く働くことの出来る就職」だったりしますから、当然重要視する要素であります♪
1位 技術者
1,285,042(円)
2位 教員(大学以外)
1,184,675(円)
3位 営業・販売
1,029,013(円)
4位 事務員
879,317(円)
5位 製造関係
769,492(円)
6位 医療関係(医者以外)
753,710(円)
7位 介護・保健関係
663,600(円)
ボーナス額については技術者が他を圧倒して1位、続いて教員、営業・販売までが100万円超えとなります。
そして少し差がついて事務員、またまた差がついて製造関係、医療関係となります。医療関係のボーナス額が低いのはちょっと意外ではありました(涙)
そして、やっぱりというか他を圧倒して低いのが介護・保健関係で、技術者の約半額でした(涙) これでは人は、なかなか集まりませんよね!?
4)年収
では、給料関係の総まとめとして年収(基本給×12+残業代+ボーナス)の結果を発表していきます♪
1位 技術者
6,047,942(円)
2位 教員(大学以外)
5,627,075(円)
3位 営業・販売
5,350,213(円)
4位 医療関係(医者以外)
4,858,310(円)
5位 事務員
4,731,717(円)
6位 製造関係
4,456,169(円)
7位 介護・保健関係
4,078,629(円)
基本給の順位と一緒になりましたね、まあ「基本給×12」の結果ですから影響が大きいのは当たり前と言えば当たり前ですね(汗)
また、順位だけでなく金額にも注目してみますと1位の技術者はぶっちぎり、2位の教員と3位の営業・販売は結構競った感じ、少し離れて4位の医療関係と5位の事務員と6位の製造関係もまあまあ競った感じで、残念ながら最下位は独走状態の介護・保健関係となりました。
因みに、全145職種の平均値は500万円代前半なので4位の医療関係以下は平均値以下となります(涙)
また、全145職種の中央値(順番に並べて真ん中の値)は400万円代後半なので、6位の製造関係以下が中央値以下となります。
なお、平均値>>中央値ということは、高給グループ(パイロット、医者、弁護士、大学教授等)が平均値を引き上げている結果かと考えます。
2 労働時間
次に労働時間です。
お金が稼げても、休む時間もなければ当相談所の目指す「ライフワークバランスの充実」の実現は難しいですから、ここもしっかり見ていきます♪
因みに、「時間帯」や「曜日」なんかも重要な要素でありますが、ここでは時間数しか見ておりませんので、悪しからずであります(汗)
1)基本労働時間
正しくは、「所定内実労働時間数」と呼ばれるものです。
これが長いということは、
・定休日が少ない
・1日の労働時間が長い
のどちらかかと思うのですが、残業を除く1日の労働時間数の上限は法律で決まっていますから、ほぼ「定休日が少ない」と考えて良さそうです。
ということで、これは少ない方がお勧めってことであります。
1位 教員(大学以外)
170.8(時間)
2位 製造関係
167.1(時間)
3位 技術者
165.8(時間)
4位 介護・保健関係
164.9(時間)
5位 営業・販売
163.5(時間)
6位 事務員
163.2(時間)
7位 医療関係(医者以外)
162.4(時間)
ここでは教員が唯一の170時間オーバーで、最下位の医療関係とは8.4時間(約1日)の差があります。
働き方については色々言われている教員でありますが、「やっぱり」って感じですね!?
なお、2位製造関係~7位の医療関係までは全て160時間台ですから、そこまで差があるって感じではないかと思います。
2)残業時間
さて、「ライフワークバランスの充実」を謳う当相談所ですから、残業時間は原則短い方がいいと思っていますが、手取り額的には適当な残業があってもいいと思いますし、全く残業がないのも色々心配な会社かと思ってしまいます(昭和生まれの発想でしょうか 汗)
当相談所で扱った企業(≒大企業)の平均が20時間/月、R5賃金構造基本調査全145職種の平均が12時間/月程度ですから、この辺りを基準に考えるのがいいかもしれません!?
1位 製造関係
16.2(時間)
2位 技術者
13.9(時間)
3位 営業・販売
9.9(時間)
4位 事務員
9.5(時間)
5位 医療関係(医者以外)
7.2(時間)
6位 介護・保健関係
5.6(時間)
7位 教員(大学以外)
5.0(時間)
やはりというか、製造に関する2職種(製造関係及び技術者)がダントツで多いですね(汗)
続いて9時間代に営業・販売、事務員、7時間代に医療関係、5時間代に介護・保健関係と教員となります。
医療関係や介護・保健関係は意外にも少ないのですが、この辺りは変則的な働き方(夜勤含む)になることも多そうですから、単純に時間以上の負荷はありそうな気がしております(汗)
また、教員に関しては、基本労働時間が長いことと、上にも書きましたとおり固定残業制・みなし残業制等で残業自体がしっかり管理出来ていない可能性が高いと考えています(涙)
なお、この賃金構造基本調査の残業時間、実際に求人票で見る残業時間と比べ随分低く出ている気がするのですが、何故なんでしょうね!?
3)総労働時間
さて上記1)+2)の結果です。
1位 製造関係
183.2(時間)
2位 技術者
179.8(時間)
3位 教員(大学以外)
175.8(時間)
4位 営業・販売
173.4(時間)
5位 事務員
172.7(時間)
6位 介護・保健関係
170.4(時間)
7位 医療関係(医者以外)
169.6(時間)
製造業関係(製造関係及び技術者)が頭抜けている感じです。
特に1位の製造関係は時間が長いだけでなく、医療関係や介護・保健関係同様不規則な働き方である場合も少なくありませんから、ご自分のキャリアプランと整合するかはよくよく考えた方が良いと思います(汗)
3 勤続年数、年齢
最後に勤続年数、年齢についてチェックしていきます。
「長く勤めることが出来る就職」をポリシーにしている当相談所ですから、当然ここも重視しております。
1)勤続年数
勤続年数は、単純に長い方がいいと考えております。
コロコロ転職をしない方が、やはりライフワークバランスは充実しますので♪
なお、全145職種の平均年数は12年ほどとなります。
1位 技術者
13.5(年)
2位 製造関係
13.3(年)
3位 営業・販売
12.1(年)
4位 事務員
12.0(年)
5位 教員(大学以外)
11.9(年)
6位 医療関係(医者以外)
10.4(年)
7位 介護・保健関係
9.2(年)
少々意外な感じなのですが、労働時間が長かった製造関係2職種が最も勤続年数が長くなります( ゚Д゚)!
労働時間に反して居心地が良いのかもしれません!?
続いて、3位の営業・事務~5位の教員までが約12年と、ほぼ145職種の平均と同じ勤続年数となります。
最後に、医療関係と介護・保健関係ですが、やはりかなり短い結果、特に介護・保健ですが唯一の1桁代と、まあ人員不足が騒がれるのが分かる気がする結果となっております(涙)
2)年齢
次に年齢についてチェックしていきます。
年齢が低すぎる(≒従業員が定着しない)のは論外ですが、長すぎても再就職雇用(≒非正規)率が高そうなのであまりよろしくないと思っております。
賃金構造基本調査の平均が概ね40代前半なので、これを基準に考えていくのが良いとおもっております。
1位 介護・保健関係
43.9(歳)
2位 事務員
43.8(歳)
3位 製造関係
42.7(歳)
4位 教員(大学以外)
42.1(歳)
5位 技術者
42.1(歳)
6位 営業・販売
41.4(歳)
7位 医療関係(医者以外)
41.3(歳)
年齢に関しては、それほど差がない感じです。ほぼ全145職種の平均値と差がありませんから、これだけで見れば問題なしと言えます。
ただ、1位の介護・保健関係と2位の事務員に注目してみた場合、勤続年数は差があって、年齢がさほど差がないということですから、介護・保健関係は転職組が多いと推定出来たりもします。
しかも上記1で示したとおり給料関係も芳しくなく…、やっぱりお勧めって感じでの職種ではありません(涙)
4 労働人口
最後に労働人口を見てみます。
「労働人口」≒「なり易さ」と考えれば、結構興味深いデータではないでしょうか!?
なお、今回は人口数でなく総労働数に占める割合で比べてみました。
1位 事務員
19.6(%)
2位 製造関係
15.6(%)
3位 営業・販売
11.6(%)
4位 技術者
10.3(%)
5位 介護・保健関係
7.1(%)
6位 医療関係(医者以外)
5.2(%)
7位 教員(大学以外)
1.2(%)
まず、1位の事務員と2位の製造関係だけで全労働数の35%も占めることに驚きです!
特に、事務員は人気が高く求人は不足気味なののですが、こうしてみると不足というよりは飽和していますので、結果求人が少ないといった見方も出来るかと思います。
今後、AI等の進化も見込まれますから、この辺りはどんどん減っていく可能性が高いのではないでしょうか!?
続いて3位の営業・販売、4位の技術者までが10%を超える職種となります。
また、なり手不足が言われている介護・保健関係は少ないといった感じではなく、同じく人手不足が言われている医療関係(医者以外)を上回っております。
勤続年数が短いことを考えれば「ローテーション」が早い職種と考えることも出来ます(涙)
そして、逆に少なかったのが教員です。
まあ、子供人口が減っていますからなるほどではありますし、近年色々指摘されている教員の労働問題なども考えれば「さもあらん」って感じではないでしょうか!?
まとめ
個人的には労働時間が長めな事を許せれば技術者が一番お勧めかなぁ~、といった印象です(汗)
製造関係も比較的似通った結果ではあるのですが、比較的不規則(夜勤、3交代制など)であることが考えられ、ちょっとお勧めって感じではありません。
比較的不規則(夜勤、参考体制など)ってことで言えば、営業・販売、医療関係、介護・保健関係なども該当するかと思います。
また、現状事務職はお勧め出来る仕事の一つではありますが、上記32)で触れたとおり、今後の見通しは明るいとは思えません…。
最もお勧めしない職種としては介護・保健関係となります。理由としては給料が安いこと、勤続年数が短いこととなりますが、「全ての方々」にお勧めしないって訳ではなく、この業界で長く&充実して働いている方も私の身近にもいらっしゃいます。
ただ、「本当に好き」でないと厳しいかと思っている次第です。労働条件の厳しい業界ほど、本当の意味で「好き・嫌い」が試されるのではないでしょうか!?
以上、R5賃金構造基本統計調査からの実践的職業比較でした。
次回は、「人材不足、不人気!?建設、運送、運転手、医療、福祉が一体どれが長く続けられて稼げる職種かを政府の調査結果から考えてみました♪」の予定です。
それでは(^^)
(追伸)
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