ここ最近は、“食品製造業”をテーマにブログを執筆しております。
さて、”食品製造業”をもう少し細かく見ていくと、”調味料・食用油関連”に続いて多かった飲料水関連の企業です。
今回はこの“飲料水関連”に注目し(調味料・食用油関連は前回のブログを参照下さい♪)、新卒3年離職率離職率が好対照だったカゴメと伊藤園で求人・勤務条件を比較してみたいと思います(汗)
本ブログを運営するネット・キャリア相談所と申します。
当相談所では「長く勤めることが出来る就職」をポリシーにライフワークバランスを重視したい20~30代の”会社選び”をオンラインにて支援しています。
気になる方は、ぜひ下記ホームページまでアクセスしてみて下さい♪
ホームページには、今までおこなった企業チェックのリンクほか、就職・転職に役立ちそうなことを色々まとめてあります。
一見の価値ありですよ(^^)
また、当ブログでは就職・転職に役立ちそうな情報について、週1回を目途に発信しています。
みなさんとって、当ブログが少しでも有益なものであれば幸いです。
【目次】
- 今回のターゲット
- イントロダクション
- 1 企業概要
- 2 採用規模
- 3 採用職種
- 4 給料
- 5 勤務時間
- 6 年間休日数
- 7 平均有給取得日数
- 8 離職情報
- 9 おまけ(不祥事等)
- まとめ(5段階評価付き)
今回のターゲット
食品製造業、特に飲料水関係の業界に興味を持っている方にお勧めです。
また、離職率と求人・勤務関連の相関関係に興味がある方も、ぜひお目通し下さい。
イントロダクション
冒頭に書きましたとおり、ここの所は“食品製造業”をテーマにしております。
さて、当相談所は「長く勤めることが出来る就職先を探そう♪」をポリシーに運営しておりますので、“離職率”というのは重要なファクターとして取り扱っております。
ということで、今回は食品製造業内の飲料水関連11社のうち最も新卒3年離職率が低かったカゴメと、高かった(といっても30%未満ですから高いといった程でもないのですが 汗)伊藤園で求人・勤務条件の比較をしみるこことします。
それでは、本題に入りますが、今回のデータの参照元は、マイナビ2024、有価証券報告書、および大枚はたいて購入したCSR企業総覧(約2万円 ( ゚Д゚))、業界動向サーチ等となります。
また、回答時期の違いや集計方法の違い(!?)が原因かと思いますが、情報ソース毎で数値が異なるものが何点かありましたが、基本CSR企業総覧の値を掲載しています。
1 企業概要
今回比較する企業の概要となります。
1)カゴメ
ケチャップやトマトジュースで有名なカゴメ、飲料業界の売上第10位(2021年度)の企業となります。
主な事業分野は、国内加工食品事業、国内農事業、国際事業の3分野ですが、従業員の97%が国内加工食品事業(ケチャップやトマトジュースはここ♪)と、一極集中タイプの企業だったりもします。
更に、国内加工食品事業は“飲料”、“通販”、“食品他”に細分されますが、売上の半分以上は”飲料”が占めています、
・設立 :1949年
・資本金 :19,985(百万円)
・従業員数 :1,628(名)
[2021年]
・自己資本率 :65.9(%)
[2021年]
・経常利益 :10,813(百万円)
[2021年]
2)伊藤園
自販のお茶で身近な存在の伊藤園ですが、飲料業界の売上第5位(2021年度)とカゴメ以上の売上高を誇る企業となります。
主な事業分野は、リーフ・ドリンク関連事業(≒お茶関連)と飲食関連事業の2分野ですが、従業員の86%がリーフ・ドリンク関連事業に従事してますから、こちらも一極集中タイプといっていいと思います。
また、子会社にタリーズコーヒーがあり、コーヒー関連の飲食店経営・フランチャイズ展開もおこなっているとのことです。
・設立 :1966年
・資本金 :19,912(百万円)
・従業員数 :5,175(名)
[2021年]
・自己資本率 :56.1(%)
[2021年]
・経常利益 :17,409(百万円)
[2021年]
設立は両社共に戦後まもなく、歴史ある企業となります。
資本金もほぼ同等ですが、従業員数は伊藤園が大きく上回ります。
自己資本比率はカゴメが上、経常利益は伊藤園が上と甲乙つけ難い関係です( ゚Д゚)!
因みに、この2社 東洋経済が実施した「就活生が投票した業界別「就職人気ランキング」」の食品分野でもライバル関係(!?)でカゴメが10位、伊藤園が11位となっています。
就活生が投票した業界別「就職人気ランキング」 金融・商社・マスコミなど業界別のトップ20 | 就職四季報プラスワン | 東洋経済オンライン
2 採用規模
次に、この2社の採用の規模についてまとめます。
1)カゴメ
・(新卒)46名(2.8%)[2021年度]
・(中途)20名(1.2%)[2021年度]
2)伊藤園
・(新卒)90名(1.7%)[2021年度]
・(中途)18名(0.3%)[2021年度]
まず、新卒の採用比率ですが、当相談所では企業を知る上での重要な要素の一つと考えています。
多すぎても(離職率が高い!?)、少なすぎても(採用が失敗している or 人事が活性化していない!?)あまり良くないと考えており、業界・業種で大きく異なるものではありますが、2~10%程度が妥当では と考えております。
そういう意味ではカゴメは適当、伊藤園はもう少し採用が多くてもいい気もします。
人気企業ではありますが、あまり採用が上手くいっていないのでしょうか!?、それともただの厳選採用でしょうか!?
また、中途採用ですが、カゴメは新卒の半数弱とバランスよく好印象、伊藤園は中途の採用はかなり少なく、好対照な結果となっています。
個人的にはカゴメの方が好印象ですが、伊藤園が悪いってこともないかとは思います(汗)
3 採用職種
次に、この2社の採用職種についてまとめます。
まず、新卒(大卒)で募集している職種を見ていきます。
1)カゴメ
・研究技術系総合職(研究)
・研究技術系総合職(工場)
・事務系総合職(営業)
2)伊藤園
・営業職(全国採用)
・営業職(エリア別採用)
・販売職(全国採用)
・事務職(全国採用)
・研究開発職(全国採用)
・生産職(全国採用)
カゴメの採用職種は結構シンプルです。
一方、伊藤園は食品業界では珍しく(!?)、金融業界や小売業界で流行っている(!?)全国職と地方職に分けての採用をおこなっています。
ここも結構、好対照な結果となってます。
一方、中途採用についてですが、カゴメについてはホームページにキャリア採用専用のページがありました。
上記2のとおり、そこそこ中途採用がある企業ですから、気になる方は登録いておいた方がいいでしょう♪
キャリア採用情報詳細|カゴメ株式会社
一方、伊藤園ですが、上記2のとおり中途採用にはあまり積極的ではないようで、特に情報はありませんでした。
4 給料
次に、この2社の給料についてまとめます。
1)カゴメ
・初任給(大卒) :
研究技術系総合職
220,000(円)
全額基本給
事務系総合職
207,500(円)
全額基本給
・平均年間給与 :7,661,055(円)
[2021年度]
・30歳平均賃金 :308,300(円)
[2021年度]
2)伊藤園
・初任給(大卒) :
営業職、販売職(全国採用)
214,000(円)
基本給183,000(円)
固定残業制度あり
(20時間、27,000円)
・営業職、販売職(エリア別採用)
※首都圏の場合
220,000(円)
基本給183,000(円)
固定残業制度あり
(21時間、27,000円)
・事務職、生産職(全国採用)
207,000(円)
基本給183,000(円)
固定残業制度あり
(16時間、20,000円)
・研究開発職(全国採用)
227,000(円)
基本給183,000(円)
固定残業制度あり
(14時間、20,000円)
・平均年間給与 :5,804,206(円)
[2021年度]
・30歳平均賃金 :330,000(円)
[2021年度]
まず、初任給です。
当相談所では、初任給は安すぎても、高すぎても適当ではないと考えております。
詳細は、下記ブログをご参照下さい。
さて、見てお分かりのとおり、まず伊藤園がかなり細かく設定しております( ゚Д゚)!
少々分かりにくいので、下記にポイントをまとめてみます。
・基本給は全職種共通
・全国職と地方職で金額差あり
・固定残業制度採用
金額設定、基本給率は悪くありませんし、全国職・地方職で差をつけること自体は賛成なのですが、何分 固定残業制度を全ての職種に採用しておりますので、当相談所的にはマイナス評価です(涙)
固定残業制ですが、“営業職”のような時間管理が難しい職種に採用されるのが適当と思っています(少なくとも当相談所では、そのように考えています)。
それを時間管理がしやすい内勤職まで適応するのは、いかがなものなのでしょうか!?
一方、カゴメの初任給ですが金額設定も適当、しかも全額基本給ということなしです♪
次に、年間平均賃金です。
これは、離職率並みに企業の健全性(!?)を示すファクターであることを最近肌で感じているところです(汗)
カゴメは700万円台中半、伊藤園は500万円台後半と結構差がつきました(汗)
なお、カゴメの平均年間給与はもちろん言うことなしなのですが、伊藤園の500万円台後半も決して悪い値ではなく、JR東日本と同程度となります。
最後に30歳平均賃金ですが、両社とも30万円台前半と十分に立派な金額なのですが、若干伊藤園の方がよくなります。
また、平均年間給与と30歳平均賃金の関係が逆転しておりますが、実はこのパターンは結構あったりします。「長く勤められる就職」をポリシーとしている当相談所としては、カゴメのような形態の方が好印象ではあります(汗)
5 勤務時間
次に、この2社の勤務時間についてまとめます。
1)カゴメ
・勤務時間:
本社・支店・研究所、及び営業
フレックスタイム制を適用
工場:8:00~16:45
小牧工場 月単位で変更する
可能性あり
・平均残業時間:11.6時間/ 月
2)伊藤園
・勤務時間:8:30~17:00
※職種によって交代勤務制あり
・平均残業時間:30.7時間/ 月
まず、勤務時間です。
両社とも職種によって勤務時間が異なります。
まあ、製造業ですから仕方のないところはあるのですが、「長く勤める」ことを考えた場合、固定時間勤務>>ローテーション勤務(変形労働制を含む)と考えて間違いありません。
体への負担が全く異なりますので。
この辺りが気になる方は、工場勤務以外の職種にしておいた方が無難だとは思います。
次に残業時間についてです。
カゴメは製造業らしから少なさ、一方伊藤園は製造業らしく多めとなっています。
まあ、残業時間が気になる方は、製造業自体パスしておいた方が無難とは思います(汗)
なお、残業時間をそれほど気にしなければ、全体的なバランスが良い製造業はお勧めではあります(但し、シフト勤務職は極力避けて欲しいとは思いますが 汗)。
6 年間休日数
次に、この2社の年間休日数についてまとめます。
1)カゴメ
・週休2日制[年間休日:123日]
※工場は別カレンダーに従う
2)伊藤園
・週休2日制 [年間休日:120日]
日数的には両社とも、問題なしと言えます。
ただ、ここでもカゴメの方が少しだけ好印象だったりします(汗)
曜日に関しては、職種で色々異なりそうです。
なお、当相談所としては、可能であれば土日祝休みが望ましいとは思っております。
子育てや趣味(友人と時間が合わなくなる)が、より充実するかと思っておりますので。
まあ、気にしない方は気にしないので、そこまで細かく考える必要はないのかもしれませんが(汗)
7 平均有給取得日数
次に、この2社の有給取得についてまとめます。
1)カゴメ
・15.6日(付与日数18.4日、
取得率84.4%)[2021年度]
2)伊藤園
・9.8日(付与日数18.4日、
取得率52.1%)[2021年度]
まず、カゴメですが15日オーバーと素晴らしい数値となっております♪
一方、伊藤園も9.8日と問題のないものではあるのですが、これだけの大企業ですから もう少し多くても良かったとは思います(汗)
なお、年間有給取得数ですが、下記を目途に求人票を見て頂ければと思っております。
・15日以上 素晴らしい!
・10日以上 全く問題なし
・ 5日以上 問題なし
・ 5日未満 多分、法令違反!?
8 離職情報
次に、この2社の新卒3年離職率、離職率、および平均年齢・平均勤続年数についてまとめます。
1)カゴメ
・新卒3年離職率:4.8%
(’19年月採用名60中、57名が離職)
※マイナビ2024に記載あり
・離職率 :2.3%(38名が離職/年)
[2021年度]
・平均年齢:41.2(歳)[2021年度]
・平均勤続年数 :17.1(年)
[2021年度]
2)伊藤園
・新卒3年離職率:28.1%
('19年月採用名217中、61名が離職)
※マイナビ2024に記載なし
・離職率:4.3%(222名が離職/年)
[2021年度]
・平均年齢:40.3(歳)[2021年度]
・平均勤続年数 :16.7(年)
[2021年度]
まず、新卒3年離職率です。
今回は、この値が飲料水関連11社のうち 最も低かったカゴメと高かった伊藤園ということでピックアップしましたので、当然カゴメ<<伊藤園となります。
カゴメの4.8%は立派ですが、伊藤園の28.1%も悪いという程の値でもなく(”大企業”としては少し多めといった程度でしょうか!?) 他業界と比べ飲料水分野が結構健全な業界であることが推測出来ます。
なお、伊藤園においてはマイナビ上に情報公開はしておらず、ここは残念と思いました。
新卒3年離職率は、政府が求職者のために公開を勧めているものですから、ぜひ公開して欲しいと思います。
次に単年離職率(新卒以外も含む)ですが、これは新卒3年離職率程差がつきませんでした。ということは、伊藤園ですが、新卒3年以降は比較的定着していることが考えられます。
また、両社ともですが、率そのものも悪い値ではありません。
平均年齢は両社似通ったもので40歳台前半、賃金構造基本統計調査の全職種平均値よりやや低めの年齢ではありますが、問題があるという程でもないかと思います。
最後に平均勤続年数ですが、これも両社似通っており、賃金構造基本統計調査の全職種平均値(12、3年)を上回る素晴らしい値となります♪
9 おまけ(不祥事等)
続いて不祥事等についてです。
基本、Googleで軽くサーチしているだけなので、ここに引っかかってしまうのは色々問題があるかな、とは思っています(汗)
(1)カゴメ
少なくとも記事レベルや企業自らが発表しているような不祥事は見つかりませんでした。
なお、不祥事を起こす企業は、結構繰り返すことも多いですから、よくよく注意しておきたい点ではあります。
また、休職者についてもしっかり情報公開されています。
・休職者 22名(1.4%) [2021年度]
決して多い値ではないですが、1%はオーバーしていますので、もう少し低くてもいいかとは感じています。
(2)伊藤園
こちらも、少なくとも記事レベルや企業自らが発表しているような不祥事は見つかりませんでした。
素晴らしい♪
また、こちらも休職者について情報公開されています。
・休職者 18名(0.3%) [2021年度]
値も1%未満と大変素晴らしいものです。
まとめ(5段階評価付き)
まず、この2社共にですが、求職者に向けた情報公開がしっかりされており、大変素晴らしいと思います。
まず、この点は大変評価したいと思います。
それでは、個別評価です。
・カゴメ ☆☆☆☆☆(最高)
基本、悪い点が見つかりませんでしたし、全体的に数値データの値も素晴らしかったので、この評価としました♪
休職者率については、少々気にはなったのですが、評価を下げるほどではないと判断させて頂きました。
・伊藤園 ☆☆☆(普通)
今回は、「飲料水分野で新卒3年離職率が高い」といった基準で選んだのですが、その割には30%未満と大した離職率でもありません(汗)
まあ、”大企業”としては良くもないのですが…
また、全職種に固定残業制を採用しているのも、当相談所としてはお勧め出来ない点ではあります。
他、特に悪い点もありませんでしたので、正直「☆☆☆☆(お勧め)」と迷った次第ですが、全体的に“大企業”としては数値データが控えめだったりもしましたので、やはり「☆☆☆(普通)」が妥当かとは思います。
まあ、どちらにしろ 飲料水業界の印象はなかなか良いものでした♪
以上、離職率が異なる飲料水業界2社の求人・勤務比較についてでした。
次回は、「女子学生にも人気!?、菓子・アイス業界で離職率が低かったロッテと、高かった(!?)モロゾフで求人・勤務条件を比較してみました」の予定です。
それでは(^^)
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