就職先としては、やはり大企業は人気のようです。私も、どちらかと聞かれれば、中小企業よりも大企業を押しています(汗) それは、しっかり情報公開がされており就職先として検討しやすいといった面もありますが、やはり給料を始めとした諸条件がいいのも理由の一つです。
ところで、中小と大企業の諸条件がどのくらい違うのか気になりませんか?
ということで、今回は厚生労働省「賃金構造基本統計調査」を元に規模別勤務条件の比較をしてみることにします。
本ブログを運営するネット・キャリア相談所と申します。
就職・転職等をテーマにブログを運営しております。
みなさんとって、当ブログが少しでも有益なものであれば幸いです。
【目次】
今回のターゲット
これから、就職・転職をする方・考えている方には、参考になる内容かと思います。また、雑学としても、結構興味深いものがありますので、ぜひご覧ください♪
イントロダクション
冒頭に書きましたとおり、就職先として大企業は人気です。業界・業種によって傾向は若干異なりますが、私の勤めている大学でも大企業は人気だったりします(特に工学・技術系)♪
私も様々な求人票を見てきましたが、概ね大企業の方が諸条件がよいというのは感覚的に分かっているつもりではあります。ただ、ある程度“根拠”としてる数字でそれを示した方が良いと思ったことが、今回のブログを執筆するきっかけとなります。
しかし、もしかしたら中小の方が意外にも諸条件が良かった( ゚Д゚)、何てこともあるかもしれません!?
さて、今回はデータとして令和3年度「賃金構造基本統計調査」を元に、労働者数を基準としてある程度職種を絞りつつ、分析を行いました。具体的には、次のとおりです。
1)企業規模10人以上のうち、労働者数が多いトップ10をピックアップ
2)上記1)の職種につき、企業規模1000人以上、100~999人、10~99人の3区分でそれぞれ比較
それでは本題です♪
1 労働者数が多い職種トップ10です
まず、10人以上の企業において、全145職種の中で労働者数が多いトップ10をピックアップしました。この職種について、以降で企業規模別の諸条件を比べていきます。
何故トップ10に絞ったかといいますと、比較的みなさんに一般的と思われる職種で比較したいと思ったからです。また、あまりマイナーな職種や極端な勤務条件の職種を混ざることによって、肌感覚と分析結果が乖離するのを避けたかったというのもあります。
それでは、トップ10を紹介します。
1位 管理的職業従事者
2位 販売店員
3位 総合事務員
4位 介護職員(医療・福祉施設等)
5位 その他の営業職業従事者
6位 看護師
7位 その他の一般事務従事者
8位 営業・販売事務従事者
9位 庶務・人事事務員
10位 食料品・飲料・たばこ製造従事者
1位の“管理的職業従事者”(一般的に課長職以上の管理職)は、入社時に選べる職業ではないのでほっておきますと(汗)、事務系職種が圧倒的に多く、次に営業系、そして激務として評判の高い介護、看護と続きます。
なお、ここでいう“事務”とは、“扱うべき仕事が限定されず、各種の仕事に従事するもの”といった意味となります。
因みに、この10職種だけで全体の35%を超える労働者数となります( ゚Д゚)
2 規模別に諸条件を比べていきます♪
さて、上記10職種の平均を企業規模別にまとめたものが次の表になります。
これらをもとに諸条件を分析していきます♪
1)年齢と勤続年数
年齢は企業規模が大きいほど若く、勤続年数は企業規模が大きいほど長くなっています。ここから、大企業は若いうちに入社することが多いことが推定できます。
やはり、大企業を狙うなら若いうちが正解といったところでしょうか!?
しかし、思ったほど大企業と中小企業の差がついていないとも感じた結果でした。
2)労働時間、残業時間
これはちょっと意外な結果となりました。所定時間内の労働時間は大企業やや少ないのですが、残業時間については、明らかに大企業の方が多くなります。
この調査を始める前は、「貧乏暇なし(涙)」ではありませんが、中小の方が労働時間が長いと思い込んでおりました(汗) また、(所定時間+残業時間)で比べてもやはり企業規模1000人以上が1番多くなります。
当相談所では、「そこそこの残業はあっても良い」と考えておりますので、減点ってほどではありませんが、労働時間が短い職場で働きたい方は、中小企業の方が良いのかもしれません!?
ただし、中小企業の場合、大企業ほど労務管理をしっかりやっていないと聞くこともありますので( ゚Д゚)、その辺りの影響が出た可能性も無きにしも非ずかもしれません…。
3)月給
これは明確に差がでております。月給基準で1000人以上と10~99人の企業では、1.2倍強の差です。上記のとおり同じ職種群の比較ですから、単純に企業規模の影響とみていいと思います。
企業選びは、給料が全てではありませんが、他の諸条件が同じなら、給料がいいことにこしたことはありません。また、今回の給料は新卒給料(これは高すぎてもダメ)ではなく、企業の平均給料ですから、高すぎてダメなことはないと思います。
4)賞与
これが、最も差がつきました( ゚Д゚) 1000人以上と10~99人の企業では、1.8倍強の差がついております( ゚Д゚) やはり、この辺りは大企業が強いです。
なお、賞与は他の諸条件(労働時間、月給、残業時間、勤続年数等)と相関性が高いのが、前回の分析から分かっております。賞与がいい企業は、当相談所として全般的にお勧めとなっております♪
2 休暇について
今回引用したデータが「賃金構造基本統計調査」だったこともあり、勤務条件の大事なファクターである休暇の情報がありません(涙) ということで、何か他に参考になりそうなデータを探したところ、厚労省「令和4年就労条件総合調査の概況」といった素敵な資料を見つけましたので、以降はここからの引用となります。ですので、上記1の分析とは職種条件や企業規模の条件が異なってきますが、ご了承ください。
1)完全週休2日制
・1000人以上 11.2%
・30~99人 8.0%
予想通り大企業の方が浸透している感じではありますが、事前に考えたほどの差ではないと感じます。みなさんは、どう思われますか?
2)年間休日数
・1000人以上 115.5日
・30~99人 105.3日
約10日の差が出ました。これは、結構差がついた感じです。やはり中小企業は休日が少な目な傾向ありといっていいと思います。
3)有給取得日数
・1000人以上 11.7日/年
・30~99人 8.9日/年
これも約3日の差がつきました。人数が少ない分有給がとりにくいといったことがあるのかもしれません
昭和の人は(私もそうですが 汗)、“休暇≒悪”ぽい感じの方が結構いますが、休暇がないと精神が消耗します。当相談所のポリシーは“低離職率こそ正義(笑)”なので、長く勤められることを重視しております。ですから、休暇は多い方を高評価としております。
まとめ
やはり数字で見る勤務条件では、大企業の方が良いと断言できるでしょう。特に、
・月給、賞与
・休暇(年間休日数、有給取得数)
にはっきり差が出ています。
一方、平均年齢や平均勤続年数のなどは、そこまで差がない感じでしたし、残業時間数は大企業の方が長い( ゚Д゚)、といった意外な結果となりました。
また、中小企業には、ここでは出てこなかった、
・転勤がない(少ない)
・人間関係がアットホーム(な場合もある)
などのメリットもありますので、実際はその辺りも勘定して企業選びをすれば良いと思います。
まあ、企業選びに迷ったら、ぜひ当相談所までご相談下さいませ♪
以上、企業規模別勤務条件についてでした。
次回は、「無期雇用派遣の賛否について( ゚Д゚)」の予定です。
それでは(^^)
(追伸)
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