ネット・キャリア相談所

「長く勤めることが出来る就職」をポリシーにライフワークバランスを重視したい20~30代の”会社選び”を支援しています。本ブログでは、これに役立ちそうな情報を週1回発信しています♪

食品製造業で離職率の低い森永製菓と離職率の高い(?)第一屋製パンで求人・勤務条件を比較してみました( ゚Д゚)

私の在籍した大学では、食品製造業は製造業の中では珍しく女子人気も高い業種でした♪
そんな食品製造業65社につき、前回のブログ中で色々調べてみたのですが、その中で最も新卒3年離職率が低かった明治製菓と高かった第一屋製パンの求人・勤務条件を比較してみようかと思います(汗)

本ブログを運営するネット・キャリア相談所と申します。

進学・就職・転職・採用等をテーマにブログを運営しております。
みなさんとって、当ブログが少しでも有益なものであれば幸いです。

 

【目次】

 

今回のターゲット

食品製造業に興味のある方、離職率と求人・勤務条件の関係性に興味のある方はぜひお読み下さい。
また、比較的身近な業界ですので、雑学的に読んでも楽しめるかと思います♪

 

イントロダクション

「長く勤めることが出来る就職先を探そう♪」をポリシーに就職支援をおこなっている当相談所としては、“離職率”は当然注目すべきファクターであります。
そこで、業界毎のチェック後 最も良かった企業と悪かった企業の求人・勤務条件を比較、離職率との相関関係をチェックすることを、ここの所のルーチンとしております。

離職率と勤務条件には相関性があるのは当然ですが、最近はどのくらい相関性が高いかといった目線で見ていたりしております。

さて、前回概ねお勧めの業界と判断した“食品製造業”ですが、65社もチェックしましたので、色々な企業が含まれていると思います。

car-emon.shop

ということで、新人3年離職率が最も低かった(何と0%!)森永製菓と最も高かった(といっても39.6%で、一般的な値よりやや高い程度ですが 汗)第一屋製パンの求人・勤務条件を比較、就職先としてお勧めかどうかを考えていきたいと思います。

なお、離職率0%の企業は、森永製菓の他にも3社(B-Rサーティワンアイスクリーム北海道コカ・コーラボトリング、J-オイルミルズ)あったのですが、その中でも最も採用人数が多かった森永製菓を代表としてピックアップしております。

一方、最も離職率が最も高かった企業として第一屋製パンをピックアップしましたが、新卒離職率を公開していない企業も4社ありましたので、これらの企業よりは“いい企業”だとも思っています(汗)

それでは、本題に入りますが、今回のデータの参照元は、リクナビ2024、マイナビ2024、有価証券報告書、および大枚はたいて購入したCSR企業総覧(約2万円 ( ゚Д゚))、業界動向サーチ等となります。

また、回答時期の違いや集計方法の違い(!?)が原因かと思いますが、情報ソース毎で数値が異なるものが何点かありましたが、基本CSR企業総覧の値を掲載しています。

 

1 企業概要

今回比較する企業の概要となります。

1)森永製菓

菓子大手(2021年度売上高ランキング3位)、チョコレートやビスケット、ココアなどで有名ですので、みなさんもご存じの企業かと存じます。

・設立    :1910年
・資本金   :18,612(百万円)
・従業員数  :1,453(名)
 [2021年]
自己資本率 :57.1(%)
 [2021年]
・経常利益  :13,714(百万円)
 [2021年] 

2)第一屋製パン

製パン業界大手(2021年度売上高ランキング3位)、 看板商品「ポケモンパン」が有名な企業です。

・設立    :1947年
・資本金   :3,305(百万円)
・従業員数  :742(名)
 [2021年]
自己資本率 :33.7(%)
 [2021年]
・経常利益  :△566(百万円)
 [2021年]

両社とも歴史のある企業となります。
特に森永製菓は戦前に設立された企業です( ゚Д゚)。

資本金は6倍のも差がありますが、従業員は2倍程度の差しかありません。
資本金の差もあってか、自己資本率は森永製菓が大きく上回っています。
この辺りを見ると、やはり森永製菓の方が随分格上だと感じてしまいます(汗)

そして、ここが大きなポイントなのですが、第一屋製パンの経常利益は赤字となっております。
これ、2021年度が赤字というだけでなく少なくとも5期連続で赤字なのです(涙)

製パン業界が厳しいのか、第一屋製パンだけが厳しいのかは、今後調べたいとは思っておりますが、この点だけでも就職先としては勧め難い感があります(涙)

 

2 採用規模

次に、この2社の採用の規模についてまとめます。

1)森永製菓

(新卒)48名(3.3%)[2021年度]
(中途)13名(0.9%)[2021年度]

2)第一屋製パン

(新卒)17名(2.2%) [2022年度]
(中途)-
 ※dudaに11件の求人あり

まず、新卒の採用比率ですが両社とも極端な違いはなく2~3%となります。

この新卒採用比率ですが、当相談所では企業を知る上での重要な要素の一つと考えています。
多すぎても(離職率が高い!?)、少なすぎても(採用が失敗している or 人事が活性化していない!?)あまり良くないと考えており、業界・業種で大きく異なるものではありますが、2~10%程度が妥当では と考えております。

そういう意味では、新卒採用については両社とも大きな問題はないと思います。

また、中途採用率については、森永製菓しか分からなかったのですが、新卒の1/3程度と概ね適当な値(≒一般的といった意味です)かと考えます。
一方、第一屋製パン中途採用率は分からなかったのですが、dudaには結構な数の求人がありましたので、中途採用には積極的に行っているものと思われます。

 

3 採用職種

次に、この2社の採用職種についてまとめます。

まず、新卒の採用職種からです。

1)森永製菓

・事務系総合職
(セールススペシャリストコース)
 ≒営業職
・事務系総合職
(マルチタレントコース)
­ ≒営業、商品開発、広報、
  法務、人事 等
・事務系総合職(経理・ITコース)
・研究開発職正社員
・生産技術職正社

2)第一屋製パン

・製造
・工機(設備機器保全)
・営業
・業務(各種データ処理及び
    帳票類の発行)

職種名称は異なりますが、両社とも食品製造業に必要な職種を幅広く求めている感じです。

個人的には、“本業”と微妙に外れたIT系や機械保守系がお勧めだったりします。
求人倍率が他の職種よりも低かったりしますので(汗)

一方、中途採用の職種についてです。
森永製菓は、ネット上に求人情報が見つかりませんでしたので不明ですが、第一屋製パンは、

・ルート営業
・工場総務
・食品製造スタッフ
・物流管理
・設備メンテナンス

と、新卒同様 幅広く募集しております。

 

4 給料

次に、この2社の給料についてまとめます。

1)森永製菓

・初任給(大卒) :230,000(円)
  全額基本給
・平均年間給与   :7,622,515(円)
 [2021年度]
・30歳平均賃金 :  247,433(円)
 [2021年度]

2)第一屋製パン

・初任給(大卒) :193,000(円)
  基本給188,000(円)
・平均年間給与   :4,237,453(円)
 [2021年度]
・30歳平均賃金 :記載なし

まず、初任給です。
第一屋製パンがやや低めではありますが、両社と概ね問題ないものと考えます。
初任給については、高すぎても安すぎても良くないと考えています。

car-emon.shop

また、両社とも基本給が占める割合も高く(森永製菓は全額基本給!)この点でも問題ありません。
因みに、社会的に色々問題となる企業は、この基本給の割合が低いことが多いようです(汗)

次に平均年間給与ですが、ここでは大きく差がついてしまいました。
森永製菓の762万円は、かなり立派な値かと思います。
一方、第一屋製パンですが、経営状況を考えれば仕方なしといったところですが、400万円前半は“大企業”としては厳しいものです(涙)
次に、30歳平均賃金です。
これは、森永製菓しか記載されていなかったのですが、平均年間給与から考えれば20万円台中盤とちょっとビックリするくらい低いです( ゚Д゚)!
30歳以降で大きく給料が伸びる仕組みなのか、他社と計算方法が異なるのかは?なところですが、下記8にあるとおり離職率は低い企業ですので、当相談所的には大きな問題ではないと考えております。

 

5 勤務時間

次に、この2社の勤務時間についてまとめます。

1)森永製菓

・勤務時間:7時間45分
 (フレックスタイム制
              ,標準労働時間制)
・平均残業時間:15.0時間/ 月

2)第一屋製パン

・勤務時間:9:00~18:00
   ※職種により変則あり
・平均残業時間:27.2時間/ 月

製造業ですので、職種によってローテーション勤務かと思います。

業種によっては仕方のないところはあるのですが、「長く勤める」ことを考えた場合、固定時間勤務>>ローテーション勤務(変形労働制を含む)と考えて間違いありません。
体への負担が全く異なりますので。
拘りがなければ、固定時間勤務の職種がお勧めです。

また、残業時間ですが、第一屋製パンはやや多めといっていいでしょう。
平均約30時間ということは、40~50時間の方も結構いるのではないでしょうか!?
製造業は、基本残業時間が長い業界ではありますが、特に製パン業界は長い印象があったりします(汗)

 

6 年間休日数

次に、この2社の年間休日数についてまとめます。

1)森永製菓

・完全週休2日制 [年間休日:121日]

2)第一屋製パン

・完全週休2日制 [年間休日:110日]

森永製菓は全く問題なし、第一屋製パンもやや少な目ですが 問題というほどではないかとは思います。

また、製造業ですので、シフト制もやむを得ないとは思いますが、本当は固定休み&土日休みが望ましくはあります。
子育てや趣味(友人と時間が合わなくなる)が、より充実するかと思いますので。

 

7 平均有給取得日数

次に、この2社の有給取得についてまとめます。

1)森永製菓

・12.1日(付与日数18.6日、
 取得率68.2%)[2021年度]

2)第一屋製パン

・9.0日(付与日数16.0日、
 取得率58.0%)[2021年度]

両社とも、問題ありません。
まあ、第一屋製パンは、もう少し多くなってもいいかとは思いますが(汗)

ただ、ここのところ 有給に関しては凄まじい企業(15日オーバーってことです ( ゚Д゚))が連発しておりましたので、それと比べれば 両社とも物足りなくはあります…

なお、年間有給取得数ですが、下記を目途に求人票を見て頂ければと思っております。
・15日以上 素晴らしい!
・10日以上 全く問題なし
・ 5日以上  問題なし
・ 5日未満  多分、法令違反!?

 

8 離職情報等

次に、この2社の新卒3年離職率離職率、および平均年齢・平均勤続年数についてまとめます。

1)森永製菓

・新卒3年離職率:0.0%
 (2019年月採用名33中、
   0名が離職)

離職率:1.7%[2021年度]
 (24名が離職/年)  
・平均年齢:42.7(歳)[2021年度]
・平均勤続年数:19.2(年)
 [2021年度]

2)第一屋製パン

・新卒3年離職率:39.6%
(2019年月採用名48中、
  19名が離職)

離職率    :-
・平均年齢:37.8(歳)[2021年度]
・平均勤続年数 :14.4(年)
 [2021年度]

まず、森永製菓の新卒3年離職率は驚愕ですね( ゚Д゚)!
30名以上採用しての離職率0.0%は凄いです。
単年離職率(新卒以外含む)も低く、「長く勤めることが可能」ないい企業かと思います♪

一方、第一屋製パンは 新卒3年離職率は高めです(涙)
休日や有休が少なかったり、給料が少なめことも影響しているかとは思います。
あと、夜勤が多いとかがあるのかもしれませんね!?

平均年齢もこれに準じて、森永製菓は全職種平均とほぼ同等の40代前半、第一屋製パンはこれより5歳程度若くなります。

平均勤続年数ですが、森永製菓は電力会社並みの20年弱、第一屋製パンもほぼ全職種平均と同等の14.4年と悪い値ではありませんでした。

 

9 おまけ(不祥事等)

続いて不祥事等についてです。
基本、Googleで軽くサーチしているだけなので、ここに引っかかってしまうのは色々問題がありそうかとは思っています(汗)

1)森永製菓

残念ながら、色々出てきてしまいました(涙)

・社長のセクハラ疑惑
みんなが寝静まった頃に 『森永製菓』新井徹社長にセクハラ疑惑が浮上――自宅住所から判明するある女性との関係、全否定する最高顧問と肯定も否定もしない広報

個人情報流出
不正アクセス発生による個人情報流出の可能性のお知らせとお詫び | 2022年 | ニュースリリース | 森永製菓

・下請法違反
公正取引委員会からの下請代金支払遅延等防止法に関する勧告について | 2019年 | ニュースリリース | 森永製菓

不祥事は繰り返す企業が結構多いですから、就職先として考えた場合 大きな減点と考えます。

また、休職者の情報が公開されておりました。

・休職者 19名(1.3%) [2021年度]

多すぎるといったことは全くないのですが、もう少し少なくてもいい気がする値でもあります。

2)第一屋製パン

企業規模の違いもあるのでしょうが(!?)、少なくとも記事や企業自らが発表しているような不祥事は見つかりませんでした。

また、休職者について、情報の公開はありませんでした。

 

まとめ(5段階評価付き)

・森永製菓
 ☆☆☆(普通)
基本 数値データは素晴らしいです。

敢えて言えば、30歳平均賃金と有給取得数がもう少しよければとは思いましたが、少なくとも これだけ見た場合「☆☆☆☆(お勧め)」以下ということはありません。

ただ、やはり不祥事が複数回あることは大きな減点ポイントですので、今回は「☆☆☆(普通)」と判断しました。
厳しかったでしょうか!?

第一屋製パン
 ☆☆(お勧めしない) 
数値的な諸条件が大企業としては万遍なくやや低めではあるものの(涙)、悪いとまでいったものでもありません。
ただ、やはり赤字が続いている企業ですので、この評価とさせて頂きました(涙)
敢えていうなら「☆☆☆(普通)」寄りの「☆☆(お勧めしない)」といったところでしょうか!?

また、基本製パン業界は人気があり求人倍率高いことが多いですから、入社の難易度を考えれば調味料製造等、同じ食品製造業でも もっと条件のいいところはありますので、そちらを選んだ方がよいとも思っております。
もちろん、製パンに拘りがあれば、全く別の話ではありますが(汗)

以上、離職率が異なる食品製造業2社の求人・勤務比較についてでした。

次回は、「平均給料1千万円超え( ゚Д゚)!、味の素とサントリーを比べてみました」の予定です。
それでは(^^)

(追伸)
就職・転職に関する相談(仕事選び、求職活動支援)をオンラインで承っております。お気軽にどうぞ(^^)
sites.google.com

また、Ⅹ(≒ツイッター)やってます。主に当ブログのテーマに関するニュースや雑記を書いています。よければ覗いてやって下さい♪
https://twitter.com/carr2fp