ネット・キャリア相談所

「長く勤めることが出来る就職」をポリシーにライフワークバランスを重視したい20~30代の”会社選び”を支援しています。本ブログでは、これに役立ちそうな情報を週1回発信しています♪

業界で判定したらダメ!?、情報・通信業121社の新卒離職率・平均給与等を他業界と比較してみました♪

さて、今回は情報通信業に注目して離職率、平均給与等をチェックしたいと思います。
前回調べた食品製造業とは打って変わり、一部の大手通信業や放送業を除いてBtoB企業が多いため、身近な存在とは言い難いかもしれませんが、特に新卒では人気の業界でもあります。
そんな情報通信業ですが、就職先としてみた場合はどうなのでしょうか!?
今回は、そんなお話です。

本ブログを運営するネット・キャリア相談所と申します。

進学・就職・転職・採用等をテーマにブログを運営しております。
みなさんとって、当ブログが少しでも有益なものであれば幸いです。

 

【目次】

 

今回のターゲット

情報・通信業に興味のある方にお勧めです。
結論からいいますと、当相談所のポリシー「長く勤めることが出来る就職先を探そう♪」的には、なかなか勧めづらい業種ではあります(汗)

ただ、企業毎のバラツキが大きいといった特徴があったりもします。
ですので、結構いい企業も含まれたりしますから、企業選びがより重要な業種かと思います。

 

イントロダクション

さて、情報・通信業についてです。
マイナビの「(大学生の)最終的な志望業界ランキング」では第1位になっている人気の業界だったりします♪
2023年卒の大学生に人気の業界は?ランキングや志望業界の傾向を紹介 - マイナビキャリアサポート|キャリア・就職支援担当者のための総合情報サイト

さて、「長く勤めることが出来る就職先を探そう♪」をポリシーとしている当相談所ですが、どの業界が「長く勤めることが出来る」可能性が高いかを調べるために始めたのが この業界別のチェックとなります。

今までに、いくつもの業界をチェックしてきましたので、これらと情報通信業を比較して、当相談所的に就職先としてお勧めなのかを考えていきたいと思います。
ネット・キャリア相談所 - 就活豆知識

なお、今回調査対象にしたのは、CSR企業総覧に掲載されていた情報通信業160社のうち、2019年に新卒採用があった121社(今までで最多の企業数です、まとめるのが大変でした 涙)となります。

また、CSR企業総覧に掲載されている企業は上場企業及び非上場の業界主要企業となりますので、ご紹介するデータは業界内の“大企業限定”のものとお考え下さい。
といっても、他業界と比べれば、比較的小規模な企業、東証で言えばプライム上場というよりはスタンダード上場の企業が目立っていたと思います。

なお、データの参照元は、令和4年賃金構造基本統計調査、および大枚はたいて購入したCSR企業総覧(約2万円 ( ゚Д゚))となります。

 

1 従業員数について

まずは従業員数の規模についてです。
基本的には従業員数が多い(≒大企業)の方が、より待遇がよいです。
これは、国の調査(賃金構造基本統計調査等)でも立証されている事項であります。

さて、まずは主要情報通信業121社の平均を紹介します。

情報通信業 2,975(人)

これだけでは何とも言えませんから、他の業界とも比較します。
運送業16社、鉄道業11社、食品製造業65社について過去に調べたものがありますので、これらと比較してみます。

運送業      4,911(人)
・鉄道業    10,264(人)
・食品製造業  1,887(人)

運送業、鉄道業と比べると小規模、食品製造業と比べれば大規模となっているのが分かります。

ただ、冒頭に書きましたとおり、バラツキが大きい業種だったりします。
最も採用数が多い日本電信電話で104,181人(!)、最も少ない企業では30人台だったりしますし、100人未満の企業も10社もあったりしました。

また、情報通信業121社の従業員数の中央値(順番に並べた時の真ん中の値)は639人と平均値を大幅に下回っており、日本電信電話のような一部超大企業が平均値をかなり押し上げていると考えます。
ですので、平均従業員数で感じるよりは小規模な企業が多い業界と考えていいと思います。

 

2 新卒の採用規模について

次に、1社あたりの新卒平均採用人数(2019年)について、過去に調べた他業界と比較してみます。

・銀行業      185(人)
・証券会社等    135(人)
保険業      350(人)
・リース、カード業等  58(人)
・化学業界       41(人)
運送業        126(人)
・鉄道業        462(人)
・食品製造業      64(人)
情報通信業      94(人)

業界でみれば、多すぎず少なすぎずといったところでしょうか。
ただ、やはり中央値は29人と平均値とかけ離れており、Ⅰの従業員数と同様な傾向があります。

また、採用規模については、絶対数よりも採用割合が重要と考えています。
多すぎても(離職率が高い!?)、少なすぎても(採用が失敗している!?)あまり良くなく、業界・業種で大きく異なるものではありますが、2~10%程度が妥当では と考えております。

ということで、次に採用規模の割合を見ていきます。
なお、銀行業~化学業界までは従業員数の集計をしておりませんでしたので、運送業・鉄道業のみとの比較となります(汗)

運送業     1.9%
・鉄道業   3.3%
・食品製造業 3.2%
情報通信業 3.1%

上記のとおり、運送業以外は概ね3%台で揃っており、適正な採用割合と考えます。
ただ、やはりこの項目でも企業間のバラツキが大きく、採用比率が近い食品製造業と比べて分散値(バラツキを表す指数)で5倍強(!)となっていました。
ですので、企業によっては大量採用だったり、採用が上手くいかない企業があったりの感が強く、平均したら適切な値だったといった感じです(汗)

業界全体のチェックよりも、企業毎のチェックがより重要なのかもしれません。

 

3 新卒3年離職率について

次に新卒3年離職率(2019-2021年)についてです。
これも、他業界と比較してみます。

・銀行業       17.6%
・証券会社等     29.8%
保険業       19.1%
・リース、カード業等 19.0%
・化学業界      11.1%
運送業          25.6%
・鉄道業       10.3%
・食品製造業     15.3%
情報通信業     14.1%
ひと昔前はブラック業界の代表と思われていた情報通信業ですが(汗)、新卒3年離職率は意外にも低く鉄道業、化学業界に次ぐ低さだったりします。
一般には「大卒の新卒3年離職率は30%」程度と言われていますので、結構優秀な結果かと思いました。

正直意外な結果だったのですが、ここでも企業毎のバラツキは大きいので注意は必要かと思います(汗)

なお、何社かは 新卒離職状況についての回答がなかったのですが、この回答結果も合わせて紹介しておきます。

・銀行業       75.0%
・証券会社等     92.9%
保険業       84.6%
・リース、カード業等 80.0%
・化学業界      85.6%
運送業       75.0%
・鉄道業       72.7%
・食品製造業     93.8%
情報通信業     78.1%

鉄道業、銀行業、運送業に次いで回答率が低かったです(涙)
この新卒3年離職率は政府が求職者のために公開を勧めているものですから、当然公開していることが望ましいものです。
ただ、情報通信業の場合 小規模な企業も多く、新卒採用自体おこなっていない可能性も高いので、この結果になったような気もしております(汗)

 

4 平均勤続年数について

次に平均勤続年数(2021年)を見てみましょう。
まずは、平均勤続年数を他業界と比較してみます。

・銀行業       16.0(年)
・証券会社等     10.5(年)
保険業       12.5(年)
・リース、カード業等 12.3(年)
・化学業界      15.5(年)
運送業       14.8(年)
・鉄道業       17.5(年)
・食品製造業     16.2(年)
情報通信業       9.9(年)

残念ならが平均勤続年数は今まで調べた業界では一番短い結果となり、あの“証券会社等”すらも下回り、唯一の一桁代となりました(涙)

当相談所の運営ポリシーが「長く勤めることが出来る就職先を探そう♪」ですから、正直ちょっと勧めづらい業界となります。
基本的に転職前提の業界なのでしょうね!?

ただ、それが苦にならない方にとっては、他の項目は悪くはありませんので問題なしの業界とも言えますが、ミドル世代以降の転職が要注意の業種と考えておいた方がいいでしょう。
転職は年齢が上がるほど、加速度的に難しくなりますので(涙)

因みに、全業種・職集の平均勤続年数は、概ね11,2年となっていますので、やはりこの業界は長く勤めるといった傾向が弱いといっていいでしょう。
しかも、今回の調査対象企業は、全て「上場企業」と「非上場企業だか主要企業」ですから、中小の情報通信業は、もっと短くなっていると考えられます(涙)

 

5 平均年間給与

次に平均年間給与(2021年)についてです。
これも、他業界と比較したいところですが、銀行業~リース、カード業等までは平均給与の集計をしておりませんでしたので、化学業界と運送業、鉄道業との比較となります(汗)

・化学業界  675(万円)
運送業   586(万円)
・鉄道業   632(万円)
・食品製造業 660(万円)
情報通信業 666(万円

化学業界に続く高給となっており、なかなか素晴らしい値です。

また、金額が近い食品製造業とバラツキ具合を比べてみても、分散値は1.2倍程度でしたので、新卒採用率ほどはバラツいてはいないようです。

 

まとめ

今回、情報通信業ですが、「情報通信業では区分が広すぎる」でした(汗)
企業毎のバラツキが大きすぎだった感が他業種よりも強めでしたので、もう少し細かく区分するべきかと思います。

ということで、次回以降のブログで情報通信業界をもう少し細分化してチェックしていく予定です♪

また、「平均勤続年数」の短さも印象的でした。
これを受けてか、平均年齢も38.6歳と全職種平均より約5歳も低くなります。
この辺りから考えるに、比較的転職が前提の業界なのかもしれません。
ただ、上記でも書きましたが転職は高齢になるほど難しくなりますので、その辺りの注意が必要な業界かと考えます。

ということで、次回は「ビジネス系情報サービス業で新卒離職率が好対照だったISIDとネクストウェアの求人・勤務条件を比較してみました」の予定です。
それでは(^^)

(追伸)
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