さて、大学生に一番人気と言われる情報通信業、中でも求人数が最も多いであろう“ビジネス系情報サービス業”は数多く就職が検討される業界の一つかと思います。
今回は、そんなビジネス系情報サービス業大手84社のうち新卒離職率が最も低かったISIDと高かったネクストウェアで求人・勤務条件を比較してみようかと思います♪
本ブログを運営するネット・キャリア相談所と申します。
進学・就職・転職・採用等をテーマにブログを運営しております。
みなさんとって、当ブログが少しでも有益なものであれば幸いです。
【目次】
- 今回のターゲット
- イントロダクション
- 1 企業概要
- 2 採用規模
- 3 採用職種
- 4 給料
- 5 勤務時間
- 6 年間休日数
- 7 平均有給取得日数
- 8 離職情報等
- 9 おまけ(不祥事等)
- まとめ(5段階評価付き)
今回のターゲット
情報通信業、特に“ビジネス系情報サービス業”に興味のある方にお勧めです。
離職率と求人・勤務条件の相関性ですが、他業界とはちょっと違う感じかもです!?
イントロダクション
実は、私が最初に就職した業界だったりします(汗)
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さて、人見知りだった私は、“あまり知らない人と話さない”イメージのあったSE(大変な誤解( ゚Д゚)!)を選んだのですが、実は当時長時間労働が問題になっていた業界であることは、就職後に知ることとなります(汗)
また、最初の会社を退職した後は、しばらく別業界で働いていたのですが、40歳前に一度この業界に戻っていたりしています。
私の配属部署は相変わらずの長時間労働でしたが(汗)、全体的には随分改善された感はあったと思います。
ただ、これも既に15年前( ゚Д゚)!
今では、情報通信業は“新卒の一番人気”の業界とのことです♪
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現状の求人・勤務条件はどんな感じになっているのでしょうか?、当時から改善されているのでしょうか?
そんな情報通信業の中でも最も求人数(≒企業数)が多いビジネス系情報サービス業につき、主要84社(上場企業+非上場大手企業)のうち、最も新卒3年離職率が低かったISIDと高かったネクストウェアで求人・勤務条件を比較してみようかと思います。
それでは、本題に入りますが、今回のデータの参照元は、リクナビ2024、マイナビ2024、duda、有価証券報告書、および大枚はたいて購入したCSR企業総覧(約2万円 ( ゚Д゚))となります。
また、回答時期の違いや集計方法の違い(!?)が原因かと思いますが、情報ソース毎で数値が異なるものが何点かありましたが、基本CSR企業総覧の値を掲載しています。
1 企業概要
今回比較する企業の概要となります。
1)ISID
SI業界の老舗の一つで、1975年業に設立された東証プライム上場企業となります。
正式名称は“株式会社電通国際情報サービス”だったのですが、2024年1月にグループ再編に伴い (株)電通総研と改名しております。
企業名を見てお分かりかとは思いますが、広告業界の巨人“電通”のグループ会社でユーザー向けSIと呼ばれる業種の会社となります。
・設立 :1975年
・資本金 :8,180(百万円)
・従業員数 :1,696(名)
[‘21年年]
・自己資本率 :58.0(%)
[‘21年年]
・経常利益 :12,735(百万円)
[‘21年年]
また、主に4分野の事業(と共通部門)から構成されており、各々の人員は下記のとおり バランスよく配置されており、各分野万遍なく力を入れている感じです。
・金融ソリューション 18.7%
・ビジネスソリューション 14.1%
・製造ソリューション 21.3%
・コミュニケーションIT 21.6%
・全社(共通) 24.3%
なお、各事業部の詳細は下記を参照下さい。
システムインテグレーション | 電通総研
2)ネクストウェア
1990年設立の東証スタンダード上場企業です。
分野的にはISIDとほぼ同じビジネス系ソリューション事業が主力の企業となります。
また、2018年に三大少女歌劇の一つである“OSK日本歌劇団”を子会社化、エンターテインメント事業にも進出しております。
・設立 :1990年
・資本金 :1,310(百万円)
・従業員数 :180(名)
[‘21年度]
・自己資本率 :73.3(%)
[‘21年年度]
・経常利益 :55(百万円)
ネクストウェアは下記2つの事業分野からなりますが、人員配置は下記のとおりで、やはり“ビジネス系情報サービス業”の企業といってしまっていいと思います。
・ソリューション事業 98%
・エンターテインメント事業 2%
さて、この2社を比べると設立年度も資本金、従業員数も全く違いますし、経常利益に関しては200倍以上も差がついています( ゚Д゚)
同分野だとしても、この2社を比較するのが適当かとうかは?ですが、まあ当相談所らしいともいえますので、このまま比較していきたいと思います(汗)
さて、この事業規模の違いがどう求人・勤務条件に反映されるのでしょうか!?
2 採用規模
次に、この2社の採用の規模についてまとめます。
1)ISID
・(新卒)56名(3.3%)[‘21年年度]
・(中途)-
2)ネクストウェア
・(新卒)9名(5.0%)[‘21年年度]
・(中途)3名(1.7%)[‘21年年度]
まず、新卒の採用比率ですが、当相談所では企業を知る上での重要な要素の一つと考えています。
多すぎても(離職率が高い!?)、少なすぎても(採用が失敗している or 人事が活性化していない!?)あまり良くないと考えており、業界・業種で大きく異なるものではありますが、2~10%程度が妥当では と考えております。
そういった意味では、両社とも問題はないものと思います。
また、中途採用については、ISIDについては分からず、ネクストウェアについては新卒の1/3となかなかいいバランスだったりします。
因みに、ISIDなんですが、超大企業の割には公開している情報量は渋めだったりします(涙)
3 採用職種
次に、この2社の採用職種についてまとめます。
まずは、新卒(大卒)の採用職種からです。
1)ISID
・技術職
・DS(データサイエンティスト)職
・総合職
・技術職・営業職(支社勤務確約)
2)ネクストウェア
・ITエンジニア職
ISIDは超大企業らしく、色々な職種があったり地域限定職があったりします。
一方、ネクストウェアは新興の企業らしく募集職種は技術職の一択となっています。
この辺りは、事業規模の違いが出ているのではと感じます。
次に中途採用についてです。
dudaにネクストウェアの下記求人がアップされておりました。
・営業職
技術職は新卒から育成、営業職は経験のある中途で賄うといったスタイルのようです。
4 給料
次に、この2社の給料についてまとめます。
1)ISID
・初任給(大卒) :250,000(円)
全額基本給
・平均年間給与 :10,574,000(円)
[‘21年度]
・30歳平均賃金 :-
2)ネクストウェア
・初任給(大卒):
235,000(円)以上
基本給235,000(円)以上
・平均年間給与 :4,829,000(円)
[‘21年度]
・30歳平均賃金 :-
まず、新卒の初任給から見ていきます。
当相談所では、初任給は安すぎても、高すぎても適当ではないと考えております。
詳細は、下記ブログをご参照下さい。
car-emon.shop
両社とも高めではありますが常識の範囲内と思えますので問題はないかと思います。
しかも全額基本給ですから、なかなか素晴らしいのではないでしょうか♪
ただ、ネクストウェアの“以上”って単語が少々気にはなってはおります…(リクナビ2024の表現をそのまま転記しております 汗)
次に年間平均給与です。
ISIDは驚愕の1000万円超え( ゚Д゚)!
当相談所がブログで扱った企業では、他には味の素やサントリ―ぐらいだったかと記憶しております。
凄いですね!
一方、ネクストウェアは500万円弱と悪くはないものの“大企業”としては“もう一声!”って感じはあるかと思います。
令和4年賃金構造基本統計調査の年間給与も500万円弱でしたらか、ほぼ国内の平均年間賃金と同程度ということになります。
なお、30歳平均賃金については、両社とも記載が見当たりませんでした(涙)
また、dudaにあるネクストウェアの中途求人についても触れておきたいと思います。
・営業職
入社時の想定年収
年収300万円~800万円
社員の年収例
年収400万円(入社5年/30歳)
年収700万円(入社15年/45歳)
上記年間平均給与(CSR企業総覧より抜粋)と比べると、随分いいような気がしないでもないのですが…。
30~45歳で随分人が減っているってことでしょうか?
5 勤務時間
次に、この2社の勤務時間についてまとめます。
1)ISID
・勤務時間:9:30~17:30
・平均残業時間:29.8時間/ 月
2)ネクストウェア
・勤務時間:9:00~18:00
・平均残業時間:10.0時間/ 月
まずは、両社とも固定時間制を採用しているっぽいので、この点はお勧め出来るポイントかと思います♪
業種によっては仕方のないところはあるのですが、「長く勤める」ことを考えた場合、固定時間勤務>>ローテーション勤務(変形労働制を含む)と考えて間違いありません。
体への負担が全く異なりますので。
次に残業時間についてみておきましょう。
ISDNは約30時間とやや長め、ネクストウェアは10時間と少なめ、と好対照な結果になっています。
情報業界は時間外労働が多いといったイメージがあったのですが、少なくともネクストウェアはこれに当てはまらないかと思います。
なお、令和4年賃金構造基本統計調査の職業別時間外労働時間は次のとおりとなっており、全職種の平均が12時間程度であることを考えれば、特段時間外労働が多い職種とは言えなくなっていると思います。
・システムコンサルタント・設計者
→ 12時間
・ソフトウェア作成者
→ 13時間
・その他の情報処理・通信技術者
→ 13時間
6 年間休日数
次に、この2社の年間休日数についてまとめます。
1)ISID
・完全週休2日制[年間休日:-]
(土日祝)
2)ネクストウェア
・完全週休2日制 [年間休日:125日]
(土日祝)
ISIDについては具体的な日数の記載がなかったのですが、まあ完全週休二日制なので問題はないかと思います。
一方、ネクストウェアは125日とかなり立派な数字です♪
また、曜日も土日休みとなっており、この辺りは当相談所的には大歓迎したいところだったりします。
当相談所としては、可能であれば土日祝休みが望ましいとは思っております。
子育てや趣味(友人と時間が合わなくなる)が、より充実するかと思っておりますので。
まあ、気にしない方は気にしないので、そこまで細かく考える必要はないのかもしれませんが(汗)
7 平均有給取得日数
次に、この2社の有給取得についてまとめます。
1)ISID
・10.1日(付与日数18.8日
、取得率53.7%)[‘21年度]
2)ネクストウェア
・10.8日(付与日数17.5日
、取得率61.6%)[‘21年度]
両社とも10日を超えており、全く問題ないと思います。
ただ、最近は15日を超えるような企業も結構ありますから、そこと比べれば物足りなさを感じなくはありません(汗)
まあ、それは贅沢ってものかもれませんね!?
なお、年間有給取得数ですが、下記を目途に求人票を見て頂ければと思っております。
・15日以上 素晴らしい!
・10日以上 全く問題なし
・ 5日以上 問題なし
・ 5日未満 多分、法令違反!?
8 離職情報等
次に、この2社の新卒3年離職率、離職率、および平均年齢・平均勤続年数についてまとめます。
1)ISID
・新卒3年離職率:0.0%
(2019年月採用名39中、0名が離職)
※マイナビ2024には記載なし
・離職率 :-%
・平均年齢:41.0(歳)[‘21年度]
・平均勤続年数 :12.3(年)
[‘21年度]
2)ネクストウェア
・新卒3年離職率:69.2%
(2019年月採用13名中、9名が離職)
※リクナビ2024に記載なし
・離職率 :11.7%(21名が離職/年)
・平均年齢:42.6(歳)[‘21年度]
・平均勤続年数 :12.7(年)
[‘21年度]
まず、新卒3年離職率についてです。
ISIDの0.0%にはビックリです。
しかも、39名も採用しての結果ですから、高評価せざる得ません。
一方ネクストウェアは69.2%と逆の意味でビックリな数字でした。
多分、当相談所が過去にチェックした中では一番悪い数字ではないでしょうか!?
ただ、この後説明しておりますが、単年離職率や平均年齢、平均勤続年数は決して悪くはないので、この年だけなにかあった可能性はあります。
といっても、採用したのはネクストウェア自身ですから、責任がない訳ではありません…
なお、この新卒3年離職率は政府が公開を進めているものであり、両社ともCSR企業総覧に記載はあったものの、大学生等が直接目にするマイナビ・リクナビには記載がなくここは少し残念ではありました。
次に単年離職率(新卒以外含む)ですがISIDは未掲載、ネクストウェアは11.7%と特段悪い数字ではありませんでした。
次に平均年齢ですが両社とも40歳台前半と、賃金構造基本統計調査の全職種平均年齢とほぼ一致していますので、この点も問題ないと思います。
最後に平均勤続年数ですが両社とも12年台と、これも賃金構造基本統計調査の全職種平均とほぼ一致していますので、問題ないと思います。
ただ、“大企業”としては、もう少し長くてもいい気はしないでもありませんが、さてどうなのでしょうか(汗)
9 おまけ(不祥事等)
とにかく不祥事を起こす企業(個人もですが 涙)は、繰り返すことも多いですから、この辺りはしっかり見ておいた方がいいと思います。
なお、ここではGoogleで軽くサーチしているだけですから、これで引っかかってしまうのは色々問題があるかな、とは思っています(汗)
1)ISID
ISIDの不祥事ではないのですが、同じグループ会社である電通が色々問題を起こし続けております(涙)
・電通違法残業事件
上司の不起訴は不当 まつりさん母、検審に申し立て - 日本経済新聞
・東京オリンピック談合
電通、新社長に佐野氏が就任へ 談合事件で報酬返上した榑谷氏は退任:朝日新聞デジタル
同じグループ会社ということは、同じ企業気質であることも考えられますので、勧めづらい点ではあります。
また、休職者についての記載はありませんでした。
2)ネクストウェア
少なくとも記事レベルや企業自らが発表しているような不祥事は見つかりませんでした
また、休職者についてもしっかり情報公開されています。
・休職者 5名(2.8%) [‘21年度]
約3%とちょっと多いかな?って思わなくはないですが、特段問題のある数字でもないかとも思います。
また、こういった数字をしっかり公開しているのは素晴らしと思います。
まとめ(5段階評価付き)
それでは、個別評価です。
・ISID ☆☆☆(普通)
年間平均給料は間違いなくトップクラスで、他の数値も悪いものはありませんでした。
新卒3年離職率については、本当素晴らしいの一言です♪
ただ、まず公開している情報が少ないことが気になります。
人に勧めていいかの判断材料が少ないこともありますが、情報公開が少ない企業はブラックであるケースが多いので(汗)
また、近年 社会問題的事件を立て続けに起こしている電通のグループ会社(同じような気風の可能性あり)であることを考えてしまうと、“☆☆☆☆☆(最高)”や“☆☆☆☆(お勧め)”とはし難いところがあり、この評価としています。
また、当相談所のポリシーが”長く勤めることが出来る就職”であることから、平均年間給与が一定額以上であることは重視しているのですが、絶対額が高いことはそこまで重視していないことも、この評価の一因です。
ですので、評価者が変われば“☆☆☆☆☆(最高)”となり得る企業かとは思います(汗)
・ネクストウェア ☆☆☆(普通)
新卒離職率の高さは大変気になりますが、単年離職率はそれなりでしたし、他の数字的な部分で特筆して悪いところはありませんでした。
また、公開されている情報量はISIDを大きく上回っており、その点も高評価です。
なお、ISIDと比べれば給料レベルは随分低くなりますが、企業規模を考え得れば悪くはないですし、この点をもって評価を下げることはしませんでしたので、悪しからずです。
今回は新卒離職率が大きくことなる2社を比べましたが、最終評価は同じとなりました。
これ結構珍しいことなのですが、情報業界の特徴なのでしょうか?
以上、離職率が異なるビジネス系情報サービス業2社の求人・勤務比較についてでした。
次回は、「インターネット付随サービス業で新卒3年離職率が好対照なウェザーニュースとアイスタイルの求人・勤務条件を比較してみました」の予定です。
それでは(^^)
(追伸)
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