さて、ここのところは「卸売業」テーマでブログにとりかかっております♪
前回は平均年間給与が好対照な2社を比較してみましたが、今回は新卒3年離職率に注目して好対照な2社の求人・勤務条件を比較していきます♪
本ブログを運営するネット・キャリア相談所と申します。
当相談所では「長く勤めることが出来る就職」をポリシーにライフワークバランスを重視したい20~30代の”会社選び”をオンラインにて支援しています。
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ホームページには、今までおこなった企業チェックのリンクほか、就職・転職に役立ちそうなことを色々まとめてあります。
一見の価値ありですよ(^^)
また、当ブログでは就職・転職に役立ちそうな情報について、週1回を目途に発信しています。
みなさんとって、当ブログが少しでも有益なものであれば幸いです。
【目次】
- 今回のターゲット
- イントロダクション
- 1 企業概要
- 2 採用規模
- 3 採用職種
- 4 給料
- 5 勤務時間
- 6 年間休日数
- 7 平均有給取得日数
- 8 離職情報等
- 9 おまけ(不祥事等)
- まとめ(5段階評価付き)
今回のターゲット
卸売業に興味のある方、特に金属関係または家庭用品の卸売業に興味のある方にお勧めです。
イントロダクション
さて、冒頭に書きましたとおり今回は、卸売業大手145社中、新卒採用が10人以上ある企業で最も新卒3年離職率が低かった神鋼商事と、最も高かった中山福で求人・勤務条件を比較していきます。
当相談所では、「ライフワークバランスの重視」をポリシーとしていますが、そのためにはやはり仕事の安定が不可欠と考えていますので、離職率は当然重視しております。
そこで、一般に公開されていることも多くなった新卒3年離職率で好対照な結果となった2社の求人・勤務条件を比較、離職率とどのような関係にあるのかをチェックしていきたいと思います。
まずは、今回選んだ2社を軽く紹介しておきます。
離職率が低い方の代表である神鋼商事は、神戸製鉄グループの商社で、業界動向サーチでは専門商社売上ランキングで23位にランキングされている企業です。
そして、残念ながら離職率が高い方で選んだ中山福(ナカヤマフク)は、家庭日用品や台所用品の卸売業大手となります。
今回は玄人好みなBtoB企業2社となりますが、BtoC企業より好条件であることが多いBtoB企業ですから、期待大ではあります♪
それでは、本題に入りますが、今回のデータの参照元は、マイナビ2025、リクナビ2025、duda、有価証券報告書、業界動向サーチ、および大枚はたいて購入したCSR企業総覧(約2万円 ( ゚Д゚))、等となります。
また、回答時期の違いや集計方法の違い(!?)が原因かと思いますが、情報ソース毎で数値が異なるものが何点かありましたが、基本CSR企業総覧の値を掲載しています。
1 企業概要
今回比較する企業の概要となります。
1)神鋼商事
神戸製鋼グループの専門商社で、鉄鋼原料の取り扱いが中心の東証プライム上場企業となります。
・設立 :1946年
・資本金 :5,650(百万円)
・従業員数 :440(名)
[‘21年度]
・自己資本率 :17.0 (%)
[‘21年度]
・経常利益 :6,382(百万円)
[‘21年度]
また、主な事業セグメント及び従業員比(連結ベース)は次のとおりとなります。
・鉄鋼 23.1%
・鉄鋼原料 4.5%
・非鉄金属 29.1%
・機械・情報 14.8%
・溶材 9.3%
・その他事業 0.4%
・全社(共通)18.7%
神戸製鉄グループらしく、やはり金属・非金属分野に多くマンパワーが投入されております。
2)中山福
大阪本社の家庭用品の卸大手、東証スタンダードの上場企業となります。
・設立 :1947年
・資本金 :1,706(百万円)
・従業員数 :331(名)
[‘21年度]
・自己資本率 : 71.4 (%)
[‘21年度]
・経常利益 :540(百万円)
[‘21年度]
また、主な事業セグメント及び従業員比(連結ベース)は次のとおりとなります。
・家庭用品卸売事業 60.2%
・プラスチック日用品製造事業
13.5%
・インテリア用品製造・販売事業
5.7%
・その他 3.0%
・全社(共通) 17.6%
圧倒的に家庭用品関係が中心であることが分かります。
さて、この2社の比較をしてみます。
全く異なる分野の卸売業である両社ですが設立年度はほぼ同一、資本金は神鋼商事が大きく上回ります。
従業員数も神鋼商事の方が多くなりますが、そこまでの違いはありません。
そして自己資本比率は意外にも中山福が大きく上回りますが、経常利益は10倍以上神鋼商事が上回ります。やはりBtoC系の商品よりもBtoB系商品を扱った方が利益率は高いといったところでしょうか!?
2 採用規模
次に、この2社の採用の規模についてまとめます。
1)神鋼商事
・(新卒)11名(2.5%)[‘21年度]
・(中途) -名( -%)[‘21年度]
2)中山福
・(新卒)24名(7.3%)[‘21年度]
・(中途) 3名(0.9%)[‘21年度]
では、両社の比較をしていきます。
まず、新卒採用についてです。
さて、当相談所では企業を知る上での重要な要素の一つと考えています。
多すぎても(離職率が高い!?)、少なすぎても(採用が失敗している or 人事が活性化していない!?)あまり良くないと考えており、業界・業種で大きく異なるものではありますが、2~10%程度が妥当では と考えております。
そういった意味では、両社ともに適当と言える範疇ですが、その中で神鋼商事は低め、中山福は高めと言えます。
なお、当ブログに掲載した企業(≒大企業)の平均は3%程度となります。
次に中途採用についてです。
神鋼商事は採用数については不明、中山福は1%未満とかなり少なめでした。
なお、中途の採用比率については、あまり極端でなければ特段良い・悪いはないと思っておりますが、当ブログで今まで調べた企業では、中途の採用比率の平均は2%程度、新卒の採用平均が3%程度となり、新卒の約2/3程度を中途採用する会社が多かったです。
3 採用職種
次に、この2社の採用職種についてまとめます。
まずは、新卒(大卒)の採用職種からです。
1)神鋼商事
・グローバルスタッフ職(総合職)
・エリアスタッフ職(一般職)
2)中山福
・総合職
・地域限定職
まず、神鋼商事ですが、総合職/一般職と非常にシンプルですし、転勤あり/なしでシンプルに区分されているようですから、分かりやすくて良いと思います。
また、中山福も同様の区分となっており、こちらも分かりやすくて良いです♪
次に中途採用の職種を見ていきます。
dudaに掲載されている求人数をピックアップしてみます。
・神鋼商事 5件
営業、社内SE
・中山福 0件
神戸神鋼は営業と、中途採用の花形と言える(!?)社内SEの募集がありました。
色々な会社で中途採用している社内SEですが、ある程度自前で育てないと 今後 今の運送業の運転手のような状況になりそうで 心配だったりもします(汗)
取返しがつくうちに対応しておいた方が良いとは思うのですが…。
一方、中山福ですがdudaに中途求人はありませんでした。
上記2のとおり中途採用には積極的ではないようです!?
4 給料
次に、この2社の給料についてまとめます。
1)神鋼商事
・初任給(大卒) :
総合職 252,000(円)
一般職 208,000(円)
※全額基本給
・平均年間給与 :8,260,000(円)
[‘21年度]
・30歳平均賃金 :-(円)
2)中山福
・初任給(大卒) :
総合職 223,000(円)
地域限定職 208,000(円)
※基本給に関する記載なし
・平均年間給与 :5,418,829(円)
[‘21年度]
・30歳平均賃金 :-(円)
まず、新卒初任給です。
当相談所では、初任給は安すぎても、高すぎても適当ではないと考えております。
car-emon.shop
そういった意味では、両社ともに適当な範疇とは思います。
また、両社ともに一般職はかなり安い感じではありますが、転勤のリスクを考えれば総合職と相当の差があるのは妥当かとも思います。
なお、金額自体も要注目ですが、基本給率も重要な要素で、これが低い企業は色々問題のある企業が多い気がしております(汗)
神鋼商事は全額基本給と素晴らしかったのですが、中山福にはこの辺りの記載がなく残念なところです(涙)
次に平均年間給与についてです。
両社ともにR4賃金構造基本調査の全職種平均(約500万円)を上回っていますので、特段問題はなく、特に神鋼商事は800万円オーバーとかなりの高給となります♪
この年間平均給与も、ある一定水準以下の企業は色々と問題があることが多いです(涙)
そういった点から見れば、両社とに問題なしと言えます。
最後に30歳平均賃金ですが、残念ながら両社ともに掲載されておりませんでした。
この2社、ダメって程ではないのですが、情報公開については渋めなところがあり、この辺りは残念なところであります(涙)
5 勤務時間
次に、この2社の勤務時間についてまとめます。
1)神鋼商事
・勤務時間: フレックスタイム制
・平均残業時間:13.7時間/ 月
2)中山福
・勤務時間:
本社 9:00~17:30
支店 8:30~17:00
※1年単位変形労働時間制
・平均残業時間:7.5時間/ 月
まず、勤務時間についてです。
神鋼商事はフレックスタイム制、中山福は年単位の変形時間労働制となります。
さて、当相談所としては シフト勤務や変形時間労働制等、変則的な働き方をあまりお勧めしておりません(汗)
体への負担が全く異なりますから、「長く勤める」ことを考えた場合、固定時間勤務>>ローテーション勤務(変形労働時間制を含む)と考えております。
そういった意味では、中山福の勤務制度は少々気になるところではあります。
まあ、年単位の変形時間労働制ですから繁忙期対策かとは思うのですが…。
次に平均残業時間についてです。
神鋼商事が13.7時間、中山福が7.5時間と両社とも少なめと言えます。
ただ、神鋼商事はマイナビ2025では24.0時間とそれなりの時間数となっておりますし、商社≒営業職と考えると残業時間の管理がしっかり出来ているかは何ともかもしれません!?
6 年間休日数
次に、この2社の年間休日数についてまとめます。
1)神鋼商事
・ 完全週休2日制[年間休日:123日]
(土日)
2)中山福
・週休2日制[年間休日:120日]
(土日)
※日曜日
(3月末、9月末の最終週は
棚卸日の為、出勤)
両社ともに120日以上ですから、問題なしと言えます。
また、曜日についてですが、当相談所としては可能であれば土日祝休みが望ましいとは思っているところではあります。
子育てや趣味(友人と時間が合わなくなる)が、より充実するかと思っておりますので。
そういった意味でも両社とも良いかと思います♪
まあ、気にしない方は気にしないので、そこまで細かく考える必要はないのかもしれませんが(汗)
7 平均有給取得日数
次に、この2社の有給取得についてまとめます。
1)神鋼商事
・14.9日 /年[‘22年度]
2)中山福
・ 7.0日/年 [‘22年度]
神鋼商事は15日に迫る勢いで、素晴らしいと思います♪
一方、中山福ですが7.0日と問題ないレベルではありますが“大企業”としては、少々物足りない感もあります!?
なお、年間有給取得数ですが、下記を目途に求人票を見て頂ければと思っております。
・15日以上 素晴らしい!
・10日以上 全く問題なし
・ 5日以上 問題なし
・ 5日未満 多分、法令違反!?
8 離職情報等
次に、この2社の新卒3年離職率、離職率、および平均年齢・平均勤続年数についてまとめます。
1)神鋼商事
・新卒3年離職率:0.0%
(’19年月採用25名中0名が離職)
※マイナビ2025に記載あり
・離職率 :-%
・平均勤続年数 14.2:(年)
[‘21年度]
・平均年齢:39.4(歳)[‘21年度]
2)中山福
・新卒3年離職率:66.7%
(’19年月採用18名中12名が離職)
※リクナビ2025に記載あり
・離職率 :10.0%
・平均勤続年数 :14.1(年)
[‘21年度]
・平均年齢:40.0(歳)[‘21年度]
まず、新卒3年離職率です。
神鋼商事は20名以上採用して0.0%ですから、素晴らしいとしか言いようがありません。
一方、中山福は18名中12名が離職、離職率にて66.7%ですから、ある意味異常な事態と言えます(涙)
ただ、マイナビ2025で‘20入社については、10名中3名離職(30.0%)とそこそこ落ち着いておりすから、この年に何かあったのか、もしくは単なる記載ミスのような気もしております(汗)
なお、この新卒3年離職率は政府が求職者のために公開を進めているものですから、大学生等が直接目にするような媒体には、ぜひ記載して欲しいと思っているところです。
そういった意味では両社ともマイナビ・リクナビ上にしっかり公開しているのは嬉しいところです。
次に、単年離職率(新卒以外も含む)についてですが、残念ながら両社とも情報が見あたらなかったです(涙)
やはり、この2社 情報公開は渋めであります…
なお、単年離職率ですが、厚労省調査の平均が12%程度、当ブログで扱った企業(≒大企業)の平均が5%程度となっております。
次に平均勤続年数です。
これは、両社とも14年オーバーとR4賃金構造基本調査の全職種平均である11~12年を大きく上回っており素晴らしいと言えます。
最後に平均年齢です。
R4賃金構造基本調査の全職種平均である40代前半よりは若干若めな感はありますが、問題があるといった程でもありません。
ただ、平均勤続年数から逆算すれば、もう少し高くてもいい感はあります(汗)
9 おまけ(不祥事等)
とにかく不祥事を起こす企業(個人もですが 涙)は、繰り返すことも多いですから、この辺りはしっかりみておいた方がいいと思います。
なお、Googleで軽くサーチしているだけなので、ここで引っかかってしまうのは色々問題があるかな、とは思っています(汗)
なお、不祥事は大きい会社ほど記事として残ってしまうので、その分 引っかかりやすい傾向はあります。
1)神鋼商事
特段不祥事やハラスメントは見当たりませんでした。
また、休職者についてですが、残念ながら記載はありませんでした(涙)
2)中山福
こちらも神鋼商事同様不祥事やハラスメントの記載なし、休職者の記載もなしとなります。
なお、両社とも大きな不祥事が記事になっていないことは素晴らしいとは思うのですが、BtoB企業でこの規模(大企業としては従業員少なめ)ですと、なかなかニュースにはなりにくいということはあるとは思います(汗)
ですので、社内状況を知る意味でも休職者の情報は欲しかったところです。
まとめ(5段階評価付き)
いずれも、「長く勤めることが出来る就職先」をポリシーとする当相談所の評価となり、絶対的な評価ではありませんので、そこはご理解下さい。
それでは、まとめです。
・神鋼商事 ☆☆☆(普通)
基本的には良い会社だと思います。
金属・非金属分野は利益率も良さそうですし、実際給料なんかもかなりの高額です。
ただ、情報公開量が少なめで、「☆☆☆☆(良い)」以上と判断する材料がないため、この評価としました。
ですので、もう少し情報量があれば「☆☆☆☆(良い)」以上の可能性は大かと思います。
・中山福 ☆☆☆(普通)
こちらも、神鋼商事同様「☆☆☆(普通)」と評価しました。
ただ、神鋼商事よりは気になった点は多かったです。
具体的には、次の事項が気になっております。
・離職状況
・家庭用品の利益率
・有給少なめ
・変形時間労働制
また、神鋼商事同様やや情報公開量が少なめなのもマイナス要素であります(涙)
ただ、‘19年度の新卒3年離職率以外は極端に悪いものがないのでこの評価としましたが、神鋼商事よりは低評価寄りの「☆☆☆(普通)」と考えて頂ければと存じます。
さて、新卒3年離職率が両極端な2社を比較しましが、情報公開量が少なかったこともあり、給料&有給以外は大きな差はなかったように感じます。まあ、重要項目2点に差があったとも言えるのですが(汗)
以上、新卒3年離職率が好対照だった神鋼商事と中山福の求人・勤務条件についてでした。
次回は、「卸売業145社中、平均勤続年数が好対照なキヤノンマーケティングジャパンとアイスコの求人・勤務条件を比較してみました」の予定です。
それでは(^^)
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