労働関連の時事問題を定期的にチェックしている当サイトですが、またもや刺激的なニュースが入ってきました。
「退職届を今ここで出さなければ、君を推薦した大学の恩師に話します」残業代を求めた若手に、幹部は言い放った 長時間労働とパワハラ、対処法は「会社の外」に | 47NEWS
残業問題のトラブルに端を発し、半ば脅迫的に退職届の提出を迫ったとのことです。少々調べてみたところ、これが何となかなかの一流企業だったりしました(;゚Д゚) 今回はこの事件の概要、およびこの会社の大卒新人の求人票をチェックしてみます。
本ブログを運営する“キャリえもん”と申します。
進学・就職・転職・採用等をテーマにブログを運営しております。
みなさんとって、当ブログが少しでも有益なものであれば幸いです。
【目次】
今回のターゲット
時事ネタ、雑記ですので特段のターゲットはありません。
イントロダクション
詳細は冒頭に貼ってあるリンクのとおりですが、以下に事件の概要を簡単にまとめてみます。
1 地質調査会社大手で発生
2 労働形態は裁量労働制
3 労働者本人は、裁量などはないと思っていた
5 会社を休みがちに
6 外部の労働組合に相談
7 裁量労働制の手続きに不備が判明、残業代を払うよう要請
8 会社は拒否
9 退職届を提出するよう圧力
ここで、会社の幹部から、「退職届を出さなければ、(入社時に)誓約書に署名したお母さんと、あなたを推薦した大学の恩師に話す」といった発言があったそうです。私も組織の管理職ですから、正直会社側の気持ちも分からない訳ではありません。でも、やはりこれは言ってはいけません。
上記事件の論点は“裁量労働制が適切だったか”だと思います。裁量労働制とは、勤務時間等が個人の裁量に任せられる勤務形態で、大学教員等に多い働き方です。極端に言えば、何時に来て何時に帰ってもいいし、フレックスタイム制のような月何時間働かなければならないといった縛りもありません。しかし、同時に“残業”の概念もなくなりますので、残業手当がつかない、というよりは“残業”といった概念がないといった方が適切な働き方です(一部例外はありますが…)。
ですので、下手をすれば、違法残業の苗床になる勤務形態ですから、より慎重な運用が必要かと思います。
まあ、ワザと“下手”をしている会社もありそうですが(汗)
また、裁量労働制に不備があった場合、どのように残業時間を算出するかも厄介です。本来残業とは、単純に時間外に働いた時間ではなく、上司の命令に基づいておこなうものでからです。本人申告そのまま残業時間を決定するのは、いかがなものなのでしょうか? 冒頭の記事を読んでみても、やはり残業手当の支払い額で揉めているようです(;゚Д゚)
なお、上記は労働者からの訴え内容であり、全て正しいとは限りませんので、その点はあしからず。
それでは、求人票をチェックしていきます。なお、今回の情報はマイナビ2023を参照としています。
1 企業概要です♪
当該の会社は、基礎地盤コンサルタンツという会社になります。設立1953年、資本金1億円、従業員数590人を誇る、同業界では、売上トップ5に入るような大企業です。
なお、今回の事件は基礎地盤コンサルタンツの東北支社で発生したとのことです。
2 採用規模
従業員600人弱に対し、例年20人ほどの採用です。比率にして3.3%、厳選採用といえますし、この数字から何ら悪いことは読み取れません。
3 採用職種
技術職、営業、総務と多職種を募集しています。この辺りは、いかにも大企業って感じです。
4 初任給
211,000円とあります。安過ぎず、高すぎず、適切な金額設定だと思います。
5 勤務時間
「平日(月~金)9:00~17:00」とります。あれ、固定時間勤務じゃありませんか(;゚Д゚) “裁量労働制”ではないのでしょうか? 例えば、技術職or営業職は裁量労働制なんてパターンもありそうですが、そんな記載もありません。
新卒は、しばらく裁量労働の対象から外すとかでしょうか?
内容が冒頭の記事と矛盾しますね(;゚Д゚) 東北支社が本社に黙って裁量労働制を導入していたとか(;゚Д゚) まあ、それは100%ないと思いますが(汗)
また、平均残業時間ですが20時間以内とあり良いと数字なのですが、裁量労働制を採用している場合、この数字にあまり意味はありません(;゚Д゚)
6 年間休日数
日数の明記はありませんが、完全週休2日制(土日)祝日とあります。ですから、120日/年以上はあるのではなのでしょうか? これも問題ないと思います。
7 有給取得日数
10日/年とあります。悪くはありませんが、もう少しあってもいいかとは思います。因みに、15日/年を超えていれば、トップクラスと言えます。
8 3年離職者
しっかり記載(素晴らしい!)されており、3年間で2名ほどしか退職していません。率にして約3%ですから、素晴らしい数字と言えます。世間では大卒の3年離職率の平均は30%と言われていますから、なんと平均の1/10です。
また、平均勤務年数も13.5年とまずまず、社員の平均年齢は未掲載でした。この数字に偽りがなければ、素晴らしい会社といって良いと思います。
まとめ
上記のとおり求人情報からは、特段悪い点は読み取れませんでした。特に離職率の低さは特出もので、この表記に偽りがなければ、完全ホワイト企業です。
ただ、裁量労働制を採用しているのに、その点には全く触れていない点は、いかがなものなのでしょうか? 都合の悪いことは公開しないと疑われも仕方のないところが懸念ではあります。
また、求人票が立派な会社でも、残念ながら色々な事件は起こりるものです。
以上、基礎地盤コンサルタンツの就労問題と大卒求人についてでした。
次回は、「低年収ランキング1位の求人票に迫る(笑)」の予定です。
それでは(^^)
(追伸)
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