パナソニック工場の課長代理の男性の過労死の記事がアップされておりました。
課長代理の自殺、パナソニック側が「持ち帰り残業」の責任認める…遺族に謝罪し和解(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
超大手企業でもあり、新卒3年離職率をみても“ホワイト”と思える企業で起こった、この痛ましい事件について考えてみます。
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みなさんとって、当ブログが少しでも有益なものであれば幸いです。
今回のターゲット
労働者全般に読んで頂きたいと思います。
イントロダクション
記事によるとパナソニック本社ではなく、半導体を製造する工場(関連会社)のようです。
この会社の求人をみたところ、数字だけみれば完全なホワイト企業かと思います。
また、就職後に上手くいかなくなる原因として、事前の下調べ不足があります。
しかし、このケース 派遣社員から正社員に採用されたケースで下調べどころではなく、会社について熟知していたはずです。
それでも、過労死(長時間労働が原因のうつ廟による自殺)が起こってしまった訳です。
何とも痛ましいことです。
今回は、私なりにこのケースの背景を推察し、どうすればこのようなケースを避けられたのかを考えてみます。
1 業界も企業もブラックではなかった!?
ブラック企業の多い業界については、過去ブログでまとめてみました。
厚労省の資料に労災(精神障害が原因の過労死請求)の順位があります。
輸送用機械器具製造業(≒自動車関係)が9位入っておりますが、今回の工場が該当すると思われる半導体製造業はトップ15には入っておりません。
また、この工場(パナソニックの子会社)の新卒3年離職率も見ましたが、毎年10~20名ほど採用しているのにも関わらず0名といった素晴らしいものでした。
そして、年間休日数も120日オーバー、大卒初任給も21万円オーバーと、ある意味理想的な数字です。
この辺りの数字だけ見れば、ブラック企業には見えませんでした。
2 個人の能力にも問題はなかった!?
では、業界や会社に問題がないと仮定すれば、本人の問題でしょうか?
本人の能力不足が引き金となり、仕事が上手くこなせないとかで回りの人間関係に問題が生じたとかでしょうか?
恐らく、これも違うと思います。
記事によると、この方は元々派遣社員だったそうです。
そして、働きが認められ正社員となり係長、課長代理と出世されております。
派遣社員から正社員になった背景を考えれば、その時点で会社はその方の能力を高く評価している事が分かりますし、43歳で課長代理まで出世していることを考えるとかなり有能だった方だと推測出来ます。
3 マッチングに問題があった?
これも違うと思います。
派遣社員から正社員になった訳ですから、ご本人もどんな会社だったか良く把握していたと思います。
アンマッチが生じていたとは思えません。
4 中間管理職という罠
課長代理ということで、恐らく管理職待遇だったと思います。
私自身もそうですが、中間管理職というのは、かなりのプレッシャーに晒されます。
部下のフォローもありますし、上からの過大な要求もあります。
そして、課長であれば課全体の責任を負わなければなりません。
10人いれば、10人のうち1人でもミスすれば、責任を負わなければならないのです。
また、いくら働いても“管理職”ということで残業手当も出ません。
やりがい的にも厳しいものがあります(少なくとも私はそうでした 汗)。
そもそも管理職とは“共同経営者”であり、
・勤務時間の自由裁量
・経営意思決定への参加
・ふさわしい賃金
が前提で、時間外労働の対象外になっているのですが、正直“課長”クラスでは“名ばかり管理職”のケースがほとんどで、管理職手当が固定残業代の固定残業制と変わらないのが実態ではないでしょうか!?
これ、結構な問題だと思うのですが、ネットでも問題視している記事を見ません。
アンタッチャブルな話題なのでしょうか!?
5 長時間労働、持ち帰り業務
過大な要求とプレッシャー、“管理職”という名目でまともに管理されない勤務状況、これらは見境のない長時間労働への引き金になる可能性があります。
このパナソニックのケースも、長時間労働&持ち帰り業務が原因でうつ病を発症したとのことです。
それだけ働いても終わりが見えなければ、当然心も病みます。
6 どうすれば良かったのでしょうか?
よくこういったケースで“そんなに大変なら辞めればいいのに”って意見を聞きます。
しかし、このような状況では、本人はストレスとプレッシャーで正しい判断は出来ない状況かと思います。
また、本来管理する立場の会社も、“管理職だから、自分で解決しろ”的なスタンスだったかもしれません。
私の勤め先も、そんな感じですし…
ですので、やはりここは家族、もしくは親しい友人等が無理にでも介入するしかないと思うのです。
仕事は大切ですが、命より優先されるものではないのは明白です!
しかし、本人も会社も、その判断が正しく出来ないような状況になっている訳ですから…
いざとなれば、無理にでも会社を辞めさせるくらいの対応が必要なのかもしれません。
極論では、ありますが…。
以上、ホワイト企業(?)の過労死問題についてでした♪
次回は、「学歴フィルター」についての予定です♪
それでは(^^)
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