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中途積極採用のクボタと同業界ライバル イセキの求人・勤務条件を調べてみました♪

農業機械で有名なクボタが、今年630人のも中途採用を計画しているそうです( ゚Д゚)
クボタ、2024年に630人の中途採用を計画 - 日本経済新聞

転職希望者にはなかなかの朗報かと思いますが、この“クボタ” が求人・勤務条件的にお勧め企業だったら言うことなしですね(^^)
ということで、同じく農業機械のイセキと求人・勤務条件を比べっこしてみることとしました♪

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また、当ブログでは就職・転職に役立ちそうな情報について、週1回を目途に発信しています。
みなさんとって、当ブログが少しでも有益なものであれば幸いです。

 

【目次】

 

今回のターゲット

IT系、技術系の方で転職を検討している方にお勧めです。
また、農業機械分野に興味がある方もぜひお読み下さい。

 

イントロダクション

さて、今回のブログを書くまでの経緯です。
私、不定期でX(旧ツイッター)にて就職関連のニュースをポストしているのですが、その中でこのクボタの記事を見つけました♪

しかも、IT(情報技術)人材の採用に力を入れるとのことで、農業機械以外の分野にいる方々も対象と考えて良さそうです。
これですと、結構色々な経歴の方がターゲットに入ってくるのではないでしょうか。
これで、クボタが“お勧め企業”ならば、大変なチャンスなのでは!?

また、農業機械分野の他企業と比べることによって、農業機械分野全体の状況もある程度見えてくるかと思い、イセキ(井関農機)とも比較することとした訳です。

さて、この農業機械分野の売上高順位[‘21年]ですが、業界動向リサーチによれば、次のとおりとなります。

・農業機械分野売上高
 クボタ※    18,648(億円)
 ヤンマーHD※     5,125(億円)
 イセキ農機           1,581(億円)
 ※は農業機械関連の部門売上高

この分野において、クボタは圧倒的トップで3位のイセキの10倍以上の売上があり、2位のヤンマーでさえ3倍以上の差がついています( ゚Д゚)

ですので、本来は2位のヤンマーと比較した方が良いとは思ったのですが、イセキの方が公開しているデータが多かったことと、何よりHD(持株会社)はちょっと調べにくいのです(汗)
ということで、今回はクボタと比べる企業をイセキとさせて頂いた次第であります(^^;)

それでは、本題に入りますが、今回のデータの参照元は、マイナビ2024、duda、有価証券報告書、業界動向サーチ、および大枚はたいて購入したCSR企業総覧(約2万円 ( ゚Д゚))、等となります。

また、回答時期の違いや集計方法の違い(!?)が原因かと思いますが、情報ソース毎で数値が異なるものが何点かありましたが、基本CSR企業総覧の値を掲載しています。

 

1 企業概要

今回比較する企業の概要となります。

1)クボタ

農業機械分野の圧倒的国内1位、また農業機械以外にもパイプシステムや都市インフラ、環境プラントも出がける東証プライム上場企業です。

・設立    :1930年
・資本金   :84,130(百万円)
・従業員数  :11,546(名)
 [‘21年] 
自己資本率 :45.6 (%)
 [‘21年] 
・経常利益  :118,521(百万円)
 [‘21年] 

また、連結(グループ)ベースでの事業毎の従業員比率をみてみます。
 機械   76.8%
 水・環境 15.0%
 その他   3.7%
 全社(共通) 18.3%

8割近くの人員が“機械”事業に配属されておりますので、間違いなく主力事業といえるでしょう。

さて、“機械”や“水・環境”といった言葉だけでは少し分かりにくいので補足します。

“機械”とは「農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械の製造及び販売等」、“水・環境とは”「パイプシステム関連製品、素形材・都市インフラ関連製品、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ等)の製造及び販売等」、その他は「物流等各種サービス、屋根材、外壁材」のこととなります。

2)イセキ(井関農機

クボタとは異なり農業機械の専業となる東証プライム上場企業で、イントロダクションで書きましたとおり、その分野では国内No3の企業となります。

・設立    :1936年
・資本金   :23,344(百万円)
・従業員数  :738(名)
 [‘21年] 
自己資本率 :40.3 (%)
 [‘21年] 
・経常利益  :3,825(百万円)
 [‘21年] 

こちらも、連結(グループ)ベースで事業毎の従業員比率をみてみます。
 開発、製造部門 30.4%
 販売部門    63.2%
 その他部門    6.4%

人員的には、かなり販売部門に割いているのが分かります。

さて、この2社を比べてみます。
設立年度は結構似たような感じで2社とも戦前からある企業となります。
資本金は約4倍、従業員数は従業員数は約16倍クボタの方が大きくなり、自己資本率はさほど変わりません。
そして、経常利益ですがクボタはイセキの約31倍(!)となります。

農業機械専業のイセキですが、イントロダクションで述べた通りクボタの一事業部と比べても経営規模は小さくなります。
この分野では、クボタはかなりの巨人のようですね( ゚Д゚)!

 

2 採用規模

次に、この2社の採用の規模についてまとめます。

1)クボタ

・(新卒)351名(3.0%)[‘21年度]
・(中途)331名(2.9%)[‘21年度]

2)イセキ(井関農機

・(新卒)12名(1.6%)[‘21年年度]
・(中途)  1名(0.1%)[‘21年年度]

では、両社の比較をしていきます。

まず、新卒採用についてです。
当相談所では企業を知る上での重要な要素の一つと考えています。
多すぎても(離職率が高い!?)、少なすぎても(採用が失敗している or 人事が活性化していない!?)あまり良くないと考えており、業界・業種で大きく異なるものではありますが、2~10%程度が妥当では と考えております。
そういった意味では、クボタは適切、イセキはやや少なめといった感じです。
ただ、クボタの場合 CSR企業総覧に掲載されているデータとマイナビに記載されているデータで大きな開き(CSR企業総覧の方が3倍程度大きい)があります。
おそらく、マイナビに記載されている数値は、大卒以上の総合職でカウントされていると推測しましたが、さて…
一方、イセキも‘22年は22名[3.4%]と採用数が回復していることを考えれば、こちらも大きな問題はないと思います。

次に中途採用についてです。
これはクボタとイセキでは、方向性が大きくことなります。
クボタはほぼ新卒と同数(!)、イセキに関しては中途採用がほとんどありません。
これについては、どちらがいいといった事はないと思いますが、転職希望者にとってはクボタの方がありがたいのは確かです♪

 

3 採用職種

次に、この2社の採用職種についてまとめます。

まずは、新卒(大卒)の採用職種からです。

1)クボタ

さて、クボタですが、クボタグループで一括しての採用活動をしており、配属先で職種や給料、休暇の条件が異なったりします(涙)

以降、はあくまで「(株)クボタ」について述べていきますのでご注意下さい。

・総合職(事務系・技術系)

まあ、特に奇をてらった感はなく、大卒以上は総合職採用ということです。
個人的には分かり易くていいと思います。

2)イセキ(井関農機

・事務系総合職
・技術系総合職

こちらも書き方が違うだけで、クボタと同職種の募集と考えていいと思います。

次に中途採用についてです。
dudaに掲載されている求人数をピックアップしてみます。
・クボタ 243件
 事務系、営業、技術系、情報系など
・イセキ 3件
 財務、法務、社内SEなど

まず、クボタの求人数243件がイヤでも目を引きます。
上記2でもお分かりのとおり、かなり中途採用に力を入れた企業なのは間違いなく、募集職種も様々で転職希望者にとってはかなり嬉しい状況です。

一方、イセキは上記2のとおり、さほど中途採用には積極的ではないことが分かります。

また、両社とも情報系(≒社内SE)を募集していますが、この“中途で社内SEを募集”というパターンは、最近他業種でも結構見かけますので、SI企業等に勤める方の転職先の選択肢はかなり広がってきているのではと感じます♪

 

4 給料

次に、この2社の給料についてまとめます。

1)クボタ

・初任給(大卒) :241,500(円)
 全額基本給
・平均年間給与   :7,492,028(円)
 [‘21年度]
・30歳平均賃金 :310,000(円)

2)イセキ(井関農機

・初任給(大卒) :218,800(円)
 全額基本給
・平均年間給与   :5,854,906(円)
 [‘21年度]
・30歳平均賃金 :-(円)

まず、新卒初任給です。
両社とも、似通った金額設定で20万円代前半となっております。
当相談所では、初任給は安すぎても、高すぎても適当ではないと考えております。
car-emon.shop
そういった意味では、両社とも適当な金額設定かと思います。

また、初任給のうち基本給率が低い企業は、色々問題なことが多いのですが(涙)、両社とも全額基本給と、こちらも文句のつけようがありません♪

次に平均年間給与についてです。
この年間平均給与もですが、ある一定水準以下の企業は色々と問題があることが多いので(涙)、しっかりチェックしておくことをお勧めします。
クボタは700万円オーバーと素晴らしく、イセキも600万円弱と“大企業”としては低めではありますが、全職種の平均年間給与が500万円弱(R4年度賃金構造基本統計調査)であることを考えれば問題ない範疇かと思います。

最後に30歳平均賃金ですが、クボタは31万円と 年間平均給与とのバランスもよく、好印象です。
平均年間給与の割に、30歳平均賃金が不自然に高かったり低かったりする企業が結構あったりするのですが(汗)、クボタについては こういった“気持ち悪さ”も感じません♪
一方、イセキに関しては、30歳平均賃金は記載されておりませんでした(涙)

 

5 勤務時間

次に、この2社の勤務時間についてまとめます。

1)クボタ

・勤務時間
 本社・支社:8:30~17:00
 製造所・工場:8:00~16:30
      又は8:30~17:00
 
※事業所によって異なる
・平均残業時間:25.0時間/ 月

2)イセキ(井関農機

・勤務時間
 事務系総合職
  勤務時間:8:30~17:20
   ※備考:東京本社
 技術総合職
  勤務時間:8:00~16:50
   ※備考:開発本部
・平均残業時間:11.9時間/ 月

まず、勤務時間についてです。
両社とも結構キッチリ勤務時間が掲載されており、これは印象がいいです。

また、総合職は固定時間労働制でも採用のようで、これも嬉しいポイントです♪

当相談所としては「長く勤める」ことを考えた場合、固定時間勤務>>ローテーション勤務(変形労働時間制を含む)と考えております。
体への負担が全く異なりますので。

次に平均残業時間についてです。
クボタは25時間とやや多め、イセキは12時間と少なめといったところです。
まあ、両社とも常識の範囲内って感じですので、特段問題はないかと思います。

 

6 年間休日数

次に、この2社の年間休日数についてまとめます。

1)クボタ

・完全週休日制 [年間休日:125日]
(土日 ※事業所
 ごとに就業カレンダーあり) 

2)イセキ(井関農機

・週休日制 [年間休日:121日]
(土日祝 年数回の土曜出勤あり)

両社とも120日オーバーですから、全く問題ありません。

また、曜日についても土日休のようで、これも嬉しいポイントです♪

当相談所としては、可能であれば土日祝休みが望ましいとは思っているところではあります。
子育てや趣味(友人と時間が合わなくなる)が、より充実するかと思っておりますので。

まあ、気にしない方は気にしないので、そこまで細かく考える必要はないのかもしれませんが(汗)

 

7 平均有給取得日数

次に、この2社の有給取得についてまとめます。

1)クボタ

・19.6日(付与日数19.4日
 、取得率100.9%)[‘21年度]

2)イセキ(井関農機

・12.6日(付与日数―日
 、取得率―%)[‘21年度]

まず、クボタの19.6日(取得率100.9%)がビックリです( ゚Д゚)!
ほぼ全員が、全ての有給休暇を消化しているということですよね!?
いままで調べた中でも、多分最強かと思います♪

一方、イセキも12.6日と全く問題のない取得数ですが、さすがにクボタと比べると霞んでしまうのが残念ではあります…
運が悪いとしか、言いようがありません(涙)

なお、年間有給取得数ですが、下記を目途に求人票を見て頂ければと思っております。

・15日以上 素晴らしい!
・10日以上 全く問題なし
・ 5日以上  問題なし
・ 5日未満 多分、法令違反!?

 

8 離職情報等

次に、この2社の新卒3年離職率離職率、および平均年齢・平均勤続年数についてまとめます。

1)クボタ

・新卒3年離職率:6.4%
(’19年月採用名296中277名が離職)
 ※マイナビ2024に記載あり
離職率 :1.3%
・平均年齢:40.2(歳)[‘21年度]
・平均勤続年数 :15.0(年)
 [‘21年度]

2)イセキ(井関農機

・新卒3年離職率:9.4%
(’19年月採用32名中22が離職)
 ※マイナビ2024に記載あり
離職率 :4.2%
・平均年齢:43.2(歳)[‘21年度]
・平均勤続年数 :16.9(年)
 [‘21年度]

まず、新卒3年離職率です。
両社ともに1桁代と素晴らしい結果となります♪
もちろん全く問題ありません。
また、両社ともこの結果をマイナビ上にもしっかり掲載しております。
この新卒3年離職率は政府が、求職者のために公開を進めているものですから、こういった数字を求職者の目に付きやすい媒体に記載しているは非常に喜ばしいことかと思います。
大企業でも、意外なほど掲載していない企業も多かったりしますので(涙)

次に、単年離職率(新卒以外も含む)についてです。
これまた、両社とも一桁前半で全く問題はなく、新卒3年離職率と比べてもバランスもとれており、離職に関しては世代によらず安定した企業といっていいと思います。

次に平均勤続年数です。
上記離職関係の結果を見ればお分かりとは思いますが、両社とも賃金構造基本統計調査の全職種平均(12、3年)を上回っており、全く問題ありません。

最後に平均年齢です。
賃金構造基本統計調査の全職種平均が40代前段ですから、クボタはちょっと若めな企業と言えます。
おそらく、このところの積極採用の結果なのではとは推測します。
一方、イセキはほぼ全職種平均と、こちらも問題なしです♪

 

9 おまけ(不祥事等)

とにかく不祥事を起こす企業(個人もですが 涙)は、繰り返すことも多いですから、この辺りはしっかりみておいた方がいいと思います。
なお、Googleで軽くサーチしているだけなので、ここで引っかかってしまうのは色々問題があるかな、とは思っています(汗)

1)クボタ

ここまで素晴らしいとしか言いようのない結果を見せつけてきたクボタだったのですが、残念ながら色々出てきてしまいました(涙)

・クボタショック(2005年)
クボタショック - Wikipedia

・その他諸問題
クボタ - Wikipedia

さすがに、これはちょっと多すぎですね…

一方、休職者の情報はしっかり公開されており、内容的にも素晴らしいものだったりしますので、この“不祥事体質!?”が果てしなく残念であります(涙)

・休職者 ―名(0.48%) [‘21年度]

2)イセキ(井関農機

こちらは、パワハラやセクハラ、その他不祥事は見当たりませんでした。

また、休職者のデータもしっかり公開されており、こちらも素晴らしい結果となっています♪

・休職者 2名(0.3%) [‘21年度]

 

まとめ(5段階評価付き)

いずれも、「長く勤めることが出来る就職先を探そう♪」をポリシーとする当相談所の評価となり、絶対的な評価ではありませんので、そこはご理解下さい。

それでは、まとめです。

・クボタ ☆☆☆☆(お勧め)
この結果については、非常に悩みました…
数字データだけ見れば、完全に「☆☆☆☆☆(最高!)」です。
採用比率、給与(初任給・年間平均給与・30歳平均賃金 全て)、年間休日、離職率、休職者率数に関してはほぼ完ぺき、平均残業時間がやや多めぐらいしか気になるところはありません(これも大したことはないって感じですが 汗)。

また、中途の求人の多さは別格で、転職希望者にとっては非常に嬉しいポイントです。

しかし、不祥事が多すぎます( ゚Д゚)!
不祥事については、厳しく評価することが当相談所のポリシーですので☆を二つ減点して「☆☆☆(普通)」にすることも考えたのですが、それにしては数字データが素晴らしすぎ…
悩んだ結果「☆☆☆☆(お勧め)」としたのですが、色々な意味で“惜しい”と思った次第です。

・イセキ ☆☆☆☆(お勧め)
こちらも、最終評価はクボタと同じ「☆☆☆☆(お勧め)」としました。
数字データや公開している情報量は、クボタと比べやや劣るものの問題という程でもなく、大きな不祥事見つからなかった結果、このような評価としています。

ただ、やはり採用率の低さ(新卒、中途ともに)は、気になると言えば気になるところではあります(汗)

まあ、全体的には2社とも“お勧め”といった結果となり、思った以上に“農業機械分野”への就職はお勧めかもしれません!?
以上、農業機械分野の求人・勤務条件についてでした。

次回は、「新人の年棒が平均年間給与より高い会社の求人・勤務時間をチェックしてみました( ゚Д゚)」の予定です。
それでは(^^)

(追伸)
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