さて、前回から新たなテーマとして“卸売業”を扱っております。
前回は、他業界と卸売業の待遇等を色々比較したのですが、結果としては中庸というか平均的といった結果で終わっております(汗)
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ただ、調査をしていて扱う商品で結構待遇が異なる感もありましたので、今回は卸売業を10分野に分けて、新卒離職率・平均給与等について考察したいと思います♪
本ブログを運営するネット・キャリア相談所と申します。
当相談所では「長く勤めることが出来る就職」をポリシーにライフワークバランスを重視したい20~30代の”会社選び”をオンラインにて支援しています。
気になる方は、下記ホームページまでアクセスしてみて下さい♪
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一見の価値ありです(^^)
また、当ブログでは就職・転職に役立ちそうな情報について、週1回を目途に発信しています。
みなさんとって、当ブログが少しでも有益なものであれば幸いです。
【目次】
今回のターゲット
卸売業、商社に興味がある方にお勧めです、
また、扱う商品と待遇の相関関係に興味がある方も、ぜひご覧下さい♪
イントロダクション
さて、冒頭でお話したとおり、今回は卸売業145社を10通りに分類し、諸条件を比較していきます。
分類は、私の独断と偏見で次の10通りとしました(汗)
①総合商社
②自動車/バイク/電車
③建設
④食品/農水産
⑤機械/電子/電気/IT
⑥医薬品
⑦化学/ガス/石油
⑧金属/非金属
⑨印刷/包装/紙
⑩その他
( 日用品、家具、おもちゃ、土産,
衣類,音楽ソフト、宝飾品)
さて、対象とした企業ですが、前回に引き続きCSR企業総覧に卸類業として掲載されている企業153社のうち、新卒採用がないor不明な企業、持株会社で他社とデータ比較に相応しくない企業を除いた145社を対象としています。
また、CSR企業総覧に掲載されている企業は上場企業及び非上場の業界主要企業となりますので、ご紹介するデータは“大企業限定”のものとお考え下さい。
なお、データの参照元は、令和4年賃金構造基本統計調査、および大枚はたいて購入したCSR企業総覧(約2万円 ( ゚Д゚))となります。
1 従業員数
まずは従業員数についてです。
さて、前回の業種別調査で卸売業は他業種に比べ圧倒的に従業員数が少ない傾向があることが分かったのですが、今回は卸売業内の分野別平均を比較していきます。
基本的には従業員数が多い(≒大企業)の方が、より待遇がよくなるといわれておりますが、いかがなものでしょうか!?
1 総合商社 2,881(人)
2 医薬品 2,140(人)
3 自動車/バイク/電車 1,132(人)
4 金属/非金属 788(人)
5 機械/電子/電気/IT 712(人)
6 印刷/包装/紙 79(人)
7 その他 612(人)
8 建設 502(人)
9 食品/農水産 488(人)
10 化学/ガス/石油 393(人)
1位の「総合商社」と2位の「医薬品」卸類業が2,000人オーバー、3位の「自動車/バイク/電車」卸類業が1,000人オーバーとなります。
こう見ると、トップ3は随分多そうに見えますが、他業種の平均は以下のとおりですから、決して従業員数が多いとも言えないかと思います。
・運送業 4,911(人)
・鉄道業 10,264(人)
・食品製造業 1,887(人)
・情報通信業 2,975(人)
・医薬品業 1,919(人)
また、9位、10位は500(人)未満と、従業員数だけみれば“大企業”という枠からははみ出てしまう少なさです。
分野毎の違いはありますが、やはり従業員数は少ない業種といって間違いなさそうです。
2 新卒の採用規模
次に、1社あたりの新卒平均採用人数(2019年)について、比較してみます。
新卒採用については、当相談所では企業を判断するのに重要な要素の一つと考えております。
転職希望者の方も、ぜひチェックして欲しい項目であります♪
1 総合商社 100(人)
2 金属/非金属 45(人)
3 機械/電子/電気/IT 29(人)
4 食品/農水産 26(人)
5 化学/ガス/石油 25(人)
6 医薬品 24(人)
6 建設 24(人)
6 その他 24(人)
6 印刷/包装/紙 24(人)
10 自動車/バイク/電車 21(人)
1位は予想通り(!?)、これまた「総合商社」となります。
2位は「金属・非金属」卸類業で、意外にも3位を引き離しての単独2位です。従業員数では4位でしたから、採用比率高めといえます。
また、4位以下はほとんど変わらないといった結果となりました。
因みに、他業界の新卒採用数は次のとおりですから、辛うじて「総合商社」と「金属・非金属」卸類業は他業界並みと言えます。
・銀行業 185(人)
・証券会社等 135(人)
・保険業 350(人)
・リース、カード業等 58(人)
・化学業界 41(人)
・運送業 126(人)
・鉄道業 462(人)
・食品製造業 64(人)
・情報通信業 94(人)
・医薬品業 40(人)
次に採用比率を見ていきます。
この採用比率ですが、多すぎても(離職率が高い!?)、少なすぎても(採用が失敗している or 人事が活性化していない!?)あまり良くないと考えており、業界・業種で大きく異なるものではありますが、2~10%程度が妥当では と考えております。
なお、当ブログで扱っている“大企業”の平均となりますと、概ね3%程度となります。
1 化学/ガス/石油 6.3%
2 金属/非金属 5.3%
3 食品/農水産 4.8%
4 建設 4.2%
5 機械/電子/電気/IT 3.7%
6 印刷/包装/紙 2.9%
7 総合商社 2.8%
7 その他 2.8%
9 自動車/バイク/電車 1.5%
10 医薬品 0.7%
ここは、上記の結果から「金属/非金属」卸類業が1位になると思っていたのですが、意外にも「化学/ガス/石油」卸類業が1位となりました。
見直してみれば、「化学/ガス/石油」卸類業は従業員数が最下位だったのにも関わらず採用数は中ほどの順位ですから、まあ納得の結果でした(汗)
ただ、大企業としてはちょっと高めかな!?とも思いました。
ということで少々離職状況が心配になりましたが、下記3を見る限りは離職率が高いといったこともないようで、一安心ではあります(汗)
また、採用比率が少ない分野は「自動車/バイク/電車」卸類業と「医薬品」卸類業となります。
医薬品については、医薬品製造業の採用比率が低く、卸売分野も似たような傾向が引き継がれているのかもしれません!?
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また、「自動車/バイク/電車」卸類業については、ビックモーター問題もあり良いイメージがなく「採用が失敗している or 人事が活性化していない!?」といった可能性もありそうな気がしております(汗)
3 新卒3年離職率
次に新卒3年離職率(2019-2021年)についてです。
1 総合商社 5.2%
2 印刷/包装/紙 11.7%
3 化学/ガス/石油 15.2%
4 機械/電子/電気/IT 18.7%
5 金属/非金属 20.5%
6 自動車/バイク/電車 21.7%
7 医薬品 21.9%
8 その他 25.5%
8 建設 25.5%
10 食品/農水産 27.6%
ここでは、「総合商社」が2位の「印刷/包装/紙」卸類業にほぼタブルスコア、ブッチギリの1位となります。
もちろん、数字的にも、言うことはありません♪
また、離職率高めの分野は、「建設」卸類業と「食品/農水産」卸類業となります。
建設業自体が労働環境については色々言われている分野ではありますから(涙)、医薬品分野同様 それを扱う卸売業でも同じような傾向があるのかも知れません…
一方、食品/農水産製造業については比較的好待遇な業界でしたから、その分野の製造業の特性が卸売業に必ずしも引き継がれる訳でもなさそうです!?
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4 平均勤続年数
次に平均勤続年数(2021年)を見てみましょう。
1 印刷/包装/紙 15.9(年)
2 総合商社 15.7(年)
3 機械/電子/電気/IT 15.1(年)
4 食品/農水産 14.7(年)
5 医薬品 14.4(年)
6 建設 13.8(年)
6 化学/ガス/石油 13.8(年)
8 金属/非金属 13.7(年)
9 その他 13.4(年)
10 自動車/バイク/電車 12.1(年)
ここでは、無敵艦隊状態(笑)だった「総合商社」を、「印刷/包装/紙」卸売業が僅差ながらも追い抜き1位となっております( ゚Д゚)
「印刷/包装/紙」卸類業は、他の項目もバランスがとれており、当相談所的にはお勧め分野かもしれません!?
一方、平均勤続年数が短いのは「自動車/バイク/電車」卸類業だったのですが、それでも12.1年と賃金構造基本調査の全職種平均とほぼ同じですから、特段悪い訳でもありません。
ただ、この「自動車/バイク/電車」関係の卸売業のうち、中古自動車関係だけをピックアップすれば6.6年と驚愕の短さとなります(涙)
一方、自動車用品及び鉄道関連の卸売業の平均は15年オーバーと総合商社並みだったりしますので、同じ「自動車/バイク/電車」と分野分けしましたが、その内訳はかなり違ったりします。
この辺りを考えると、もっと細かく分野分けした方が良かったのかもしれませんね(汗)
5 平均年間給与
次に平均年間給与(2021年)についてです。
1 総合商社 11,575,375(円)
2 化学/ガス/石油 7,760,795(円)
3 金属/非金属 7,070,975(円)
4 医薬品 6,932,614(円)
5 機械/電子/電気/IT 6,682,403(円)
6 印刷/包装/紙 6,401,326(円)
7 自動車/バイク/電車 6,146,862(円)
8 その他 5,803,161(円)
9 食品/農水産 5,684,290(円)
10 建設 5,629,952(円)
これは、1位の「総合商社」が他を圧倒している感じですね( ゚Д゚)!
以降、2位の「化学/ガス/石油」卸類業から7位の「自動車/バイク/電車」卸類業までが600万円オーバーとなり、概ね問題なしと言えます。
ただ、それでもやはり中古自動車の卸売に限定すると約420万円と、大企業としては非常に厳しい金額となってしまいます(涙)
一方、平均年間給与が低い業界は、偶然(!?)にも新卒3年離職率と同じ「建設」卸類業と「食品/農水産」卸類業となり(9位と10位の順番は入れ替わっておりますが)、なかなかお勧めしづらい分野と言っていいと思います。
まとめ
まず、「総合商社」はさすがに別格感満載でした♪
さすが、人気企業ランキングの常連さんだけありますね。
一方、「建設」卸類業、「食品/農水産」卸類業、そして中古自動車関係の卸売業はなかなか厳しいものがありそうです…
なお、その他の卸売業は、まずまずのバランスが取れている感じですから、就職先として狙うならこの辺りがいいのかもしれませんね♪
さて、前回・今回と卸売業界全体を見ていきましたが、いよいよ次回からは卸売業の企業について、個別で色々チェックしていきたいと思います。
まずは、平均年間給与に注目、「卸売業145社中、年間平均給与が好対照な伊藤忠商事とバイク王の求人・勤務条件を比較してみました♪」といったテーマから始めたいと思います。
(追伸)
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